その声が僕を呼んだなら

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Aちゃんから貰った

チョコを片手にホテルに戻ると

にやぁ。って笑った千賀に出くわしたから

思わず、気持ち悪。って声にしてしまった。







「……なに、」

「頑張ってくださいね、巨さん」

「なにが、」

「照れなくても俺と拓也は巨さんの味方ですから」





あー…

これはもしかしなくても、バレてる？

いや、そうか。千賀はAちゃんのこと知ってるか、

毎朝あそこで挨拶されてんだろうし。





「…まぁ、うん。…サンキュ」

「良い報告待ってまーす」





……完全に楽しんでるな、コイツ。



千賀と別れて部屋に戻ると、ポケットに

突っ込んでいたスマホが鳴った。


多分俺は、期待してた。

相手がAちゃんだ、と。

だからロック画面に浮かぶ文字を見て

自分でも分かるくらい、口元が緩くなったのが

分かって、自分の浮かれ具合に肩を竦めた。








“ 明後日、仕事？ ”





そういえば今日の休憩の合間に

柊太達が明後日の休みにどこに行くだの何だの

言っていたことを思い出し、試しに尋ねてみた。






別に、急いでる訳じゃない。

…いや、本当は少し、急いでるかも。

キャンプももう、折り返しだし。

終わったら、…どうなるんだろ、俺達。









“ 休みですよ。”




ほんの少しぼんやりしてる間に、返事がきてた。

頭で理解してすぐ、返事を送信する。









“ 会えない？ ”









別に、急いでない。


友達でも何でもない、

知り合い程度の関係を

別の名前に変えたい、なんて









既読は、すぐについた。

けど、それきり返事がこなくなって

長い間スマホとにらめっこしてたけど

とうとう根負けして、ぼふん。と、

ベッドに倒れ込んだ。









「あー………何やってんだ俺…」








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