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(you side)
今朝の出来事のせいで浮かれそうになったけど
でもそれと仕事は全く別だから、いつも以上に
気を引き締めて仕事に就いた。
途中、沢山の差し入れを持って困ってる
東浜選手を、間一髪の所で助けたりして。
──…あぁやっぱり、凄い人なんだなぁって思った。
こんなにも彼を応援している人たちがいて、
やっぱり私とは、住む世界が違うんだって
まざまざと見せつけられたような。
「Aちゃん、」
けど、こうして周りに不審に思われないように
そっと私の名前を囁かれると、期待しない方が無理で
だから、返事をする声が、上擦ってしまった。
「朝言ったこと、覚えてる?」
「はい。…でも、」
沢山の差し入れが、目にとまる。
どうするんだろうって困っていたら、
きっとそれが、顔に出ていたのかな。
「一度ホテルに戻ってまた来るから」
「え…」
「だから約束ね」
「約束」
その二文字の響きに、胸の奥がぎゅうってした。
変な顔、しなかったかな。バレなかったかな。
こんな、…こんな緩んだ顔、見られたくないよ、
・
・
・
空が薄いオレンジ色に染まる頃。
何故かいつも居残り練習を終えた東浜選手と
鉢合わせていた場所に、私は座り込んでいた。
「…さむ、」
ひゅ、と頬を撫で付ける二月の風は冷たくて
でもそれが、今の私には心地良かった。
「──…A、ちゃん?」
「あ…東浜選手、」
声を掛けられて立ち上がる。
次いで、雰囲気違うね。なんて言われたら
変にどぎまぎしてしまって、沈黙が静かに降り注いだ。
だけど、いつまでもそうしていられなくて
背中に隠していたチョコレートを差し出す。
全然高いものじゃないし、沢山貰ってたけど、
感謝の気持ちを、貴方に伝えたくて。
「…ありがとう」
私の言葉に耳を傾けて、
優しい声で、そう言ってくれる。
たったそれだけの事が嬉しくて、
なのに連絡先まで交換して、
出会ってまだ日も浅いけど、
相手はプロ野球選手だけど、
あぁやっぱり、
やっぱり私は、
目の前にいる彼が、好きなんだ。
(言葉がすとんと落ちてきて、また恋に落ちた)
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千花(プロフ) - くろださん» コメントありがとうございます...♪*゚実はそこを大切にしていたので、そう言ってもらえて嬉しいです...!最後までどうぞよろしくお願いします♪♪ (2018年4月16日 12時) (レス) id: 0df86c7d6a (このIDを非表示/違反報告)
千花(プロフ) - ★☆Lily☆★さん» コメントありがとうございます...♪*゚巨くん、本当に素敵ですよね...!出来るだけ巨くんのイメージを壊さないように、大切に書いていきたいです。最後までよろしくお願いします* (2018年4月16日 12時) (レス) id: 0df86c7d6a (このIDを非表示/違反報告)
千花(プロフ) - ゆきピノ♪さん» コメントありがとうございます...♪*゚頭をフル回転させて完結まで頑張ります!良かったら最後までお付き合い下さい(´˘`*) (2018年4月16日 12時) (レス) id: 0df86c7d6a (このIDを非表示/違反報告)
くろだ(プロフ) - はじめまして!いつも更新楽しみにしています!!なおさんはもちろんですが、まわりの選手たちに応援されてるのもすっごく嬉しくて!本当にこのお話が大好きです!!今後の更新もとても楽しみにしています! (2018年4月14日 23時) (レス) id: 1cf6ee72dc (このIDを非表示/違反報告)
★☆Lily☆★(プロフ) - はじめまして!いつも楽しく読んでます♪巨くんとってもカッコいいですよね!私も巨くん大好きです(*^^*)千花さんの書く巨くんもとっても素敵です☆彡これからも頑張ってください!!! (2018年4月13日 23時) (レス) id: 8ca024d698 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千花 | 作成日時:2018年3月5日 8時