【第5人格】悪夢を見る者 (ページ33)

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俺は好奇心でその四角い物に触れてみた
すると女の叫び声が聞こえてきたかと思えば、俺の周り一帯が黒くなり何も見えなくなった

何が起こったのかわからず戸惑っていると、何か足に当たった感覚がした

足元を見てみるとそれは人だった
しかも顔面がえぐれていて、とても無惨な状態だった

そいつは俺の足を掴んだかと思えばよじ登ってきた
俺は恐怖や焦りから声を荒らげながら抵抗していると、後ろからも手が伸びてきて俺の肩を掴んだ

傭「や、やめろッ！離せこの化け物がッ！！」

すると微かに俺を呼ぶ声が聞こえてきた
その瞬間、頬に痛みが走ったと思えば化け物は消え、目の前にはAが焦った表情をしながら俺のことを見ていた

今起こった出来事に対し混乱していると、いきなりAが抱きついてきた

傭「お、おい！どうし『良かったッ…。』…？何…が？」

『もう少しで悪夢の世界へ引きづり込まれるところだった…良かった間に合って…』

するとAは少し離れ、時折俺の頬に手を当て、俺の顔をまじまじと見てきた
俺は気恥しさとさっきから続いてる混乱のせいで、目を逸らしながら少し抵抗した

傭「なんだよさっきから。あんま触んな。」

『何処か異常が無いかと…あとさっき意識を引き戻すためとは言え、傭兵の頬を叩いてしまったから…。すまない…。』

傭「さっきなんか痛えと思ったらそういう事か。こっちこそすまねぇな。もう大丈夫だから離れてくれ。」

『あ、あぁ…。』

俺がそう言ったことで納得したのか、Aは離れて俺に手を差し伸べてきた
ここは無視してもあんまりかと思い、素直に手を借りて起き上がった

『しかし何故私の部屋に…？』

傭「エマとエミリーが時間になっても来ねぇって言って心配してたから俺が呼びに来たんだよ。2人とも手が離せないって言うし、次の試合お前と一緒に出るからついでにな。」

『そうか…悪いななわざわざ…。』

傭「それより夕食急いで食わねぇとそろそろ試合始まっちまうぞ。」

そう言うとAは恐らく試合の準備をしながら

『……今日も食欲が湧かないからいい。』

と言った
俺は気になったことがあったので聞いてみることにした