【第5人格】悪夢を見る者 (ページ29)

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邪神のハンターページ29

庭園に向かったが、そこには黄衣の王の姿は無かった

『行き違ったか？』

すると後ろから嫌悪感、恐怖感などが混ざりあった気配がした

私は咄嗟に振り返り警戒態勢をとった

それを発している人物は探していた黄衣の王だった

『ッ…黄衣の王……。』

黄「先程から何をしておる人の子よ。ここはハンターの館。用が済んだのなら直ちに立ち去れ。」

『…貴方に用があって探していたんだ…。』

黄「我にか？」

私はその問いに対し頷く

すると黄衣の王は庭園にある長椅子に向かい座った

不思議に思って見ていると黄衣の王は自身の隣を指さした

黄「来い。」

『……隣に座っていいのか？』

黄「許そう。」

私は指示通り恐る恐る隣に座った

黄衣の王は他のハンターに比べ背丈が大きいので、隣に座るととても威圧感があった

黄「して人の子よ。用とは何だ。」

『その……私に取り付いている悪魔について教えて欲しいんだ……。黄衣の王は邪神だから…何か分かると思って…。』

すると黄衣の王は無数の目をこちらに向けた

その時私はまるで蛇に睨まれた蛙のように身体が固まってしまった

直感的に黄衣の王の機嫌は絶対に損ねてはいけないと思った

黄「確かに取り付いておるな。あの時其方を見た時の違和感はこれか。」

『……見えたのか？』

黄「うむ。しかし何かに妨害され姿は完全には見えぬ。が、其方は確か悪夢を見るのであったな？」

『…ああ。』

黄衣の王は暫く考えているようだった

そしてまた此方に無数の目を向けた

黄「悪夢を見せる悪魔となると其奴は《夢魔》の可能性がある。イドーラには既に会っているのか？」

私は首を横に振った

黄「ならばイドーラに聞いてみよ。彼奴の方が夢に関する事に詳しいのでな。」

『…わかった。…ありがとう。』

私は立ち上がりその場から去ろうとしたら黄衣の王に腕を掴まれた

黄「待て。1つ問いたい事がある。其方は本当に生きておるのか？」

『ッ…？ああ……生きているが…何故？』

黄「其方の肉叢に魂が見つからぬ。」

『………は？』