【呪術廻戦】五条悟の婚約者は死亡ENDを回避したい

46 ページ49

・



京都・五条本家



バンッ！！




五条「婚約破棄ってどういうことだよ！！」



「悟さん静かになさい。お客様の前ですよ」




客室に断りもなくズカズカ入り込み音声をあげる五条



客人の姿は見えてはいないようだ




トキ「いえいえ、奥様お気になさらず。私の用件は終わりましたのでこれで失礼致します」



老婆はゆっくりと頭を下げ五条にもぺこりとお辞儀をし部屋を立ち去った



五条といえば誰だこの婆さんと首を傾げたあとすぐに自身の要件を思い出し母親に詰め寄る




五条「あいつは子供の誘拐なんてしてねーし！東雲家だって追い出される必要なかっただろ！！なのに一方的に婚約破棄なんて」




「婚約破棄はすでに了承されましたよ。東雲Aに非はないことは既に確認済みです」



五条「ならなんで！！」



「なんで？貴方にそんなこと言う資格はないはずよ。A嬢との婚約を進める時の約束を忘れたの？18歳になるまでに彼女の口から貴方と結婚したいと言わせること。それを条件に無理に婚約を進めたの忘れた？」


五条「それは……」



ぐっと押し黙る五条


東雲Aとの婚約は何もすんなり決まったわけじゃない


分家の末端の家の出だ

五条悟の婚約者には相応しくないと反対の声は当然でた



それが通ったのは五条悟本人が強く望んだことと

この家の奥方である彼の母親が後押ししたからだ



その二人の間には約束があり



東雲Aが18になるまでに望まなければこの婚約はなかったものにするというものだ




「それで？好きって言って貰えたの？」




五条悟は今度こそ声が出なかった



かつて親友に頼み込んで五条悟のことをどう思ってるか聞き出した時には



"好きでも嫌いでもない"



という五条の心を抉る返答が返ってきた


好かれてるとは程遠い答えだ



そもそも五条悟という男は幼い頃から望んだものはなんでも手に入れてきた



地位も名誉も力も金も権力もある


望むものはすぐさま用意され


叶わなかった望みはない



唯一持ちえなかった性格のせいで友人と呼べる存在はいなかったが


それも高専に入り唯一無二の親友を手に入れた



つまるところ有頂天だったのだ



つれない婚約者だっていつかは手に入る



母親との約束も忘れろくに愛を伝えなかったゆえの結果である



黙ってしまった五条悟に母親はひとつため息をつく



「一度だけ貴方にチャンスを与えるわ。」


母親は先程老婆から渡された子供の写真を差し出した

続編へ→←45

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す