【呪術廻戦】最強の婚約者を辞めたい

不穏な空気 ページ5

『五条さんどうされましたか？』



入学してすぐに五条様呼びはやめろとしつこく言われたのでまあ、うるさい老人どももいないからいいかと妥協した呼び名で呼ぶと蒼白だった顔面に今度は青筋がはしる


なんで？


横にいる傑くんは腹を抑えて笑いを堪えてる様子だ



なんで？



五条「お前、なんで傑のこと」



『？』



いつまの軽薄な話し方ではなくしどろもどろと要領を得ない



『五条さん私に何か用があるのでしょうか？』



今日は任務も授業ももう終わってるし用があるとすれば家のこととか？



五条「あ"？用なんてねぇよ」


じゃあ何故話しかけたんだそして何故そんなに不機嫌なんだ


横にいる傑くんはとうとう吹き出してしまった



訳が分からん



ギッと傑くんを睨む五条悟



傑くんは笑いながら仕方ないなぁと声を漏らす



夏油「Aはなんで悟にずっと敬語なんだい？」


呼び方もよそよそしいだろう？と首を傾げる



ちらりと五条悟を見るとじっと私を見つめ私の答えを待ってるようだった



『何故と言われましても・・』


この場合なんと答えたらいいのか


五条家次期当主だから？


呪術師として優秀だから？


婚約者だから？



『昔からそう呼んでいましたので癖ですかね』



当たり障りのない答えをしておこう


私の回答に微妙な顔をする



正直にいえば癖というのはあながち間違いではない


例えばハイブランドのことを誰かと話す時にわざわざ敬語なんてつけないがハイブランドの店員と話す時は自然と敬語になってしまう


そんな感じだ



五条悟をブランドとして認識してる私はその感覚で接している


元々一生関わることの無いと思っていた雲の上の存在に突然馴れ馴れしく接しろという方が無理だ




夏油「4人しかいない同期なんだし悟のことも下の名前で呼んでみたら？」



下の名前・・


じっと五条悟を見ると私が名前を呼ぶまでここから離れないぞと言わんばかりの顔で見つめられる



いつもの気まぐれか


まあ、名前くらいなら



『悟さん？』


悟様だとまた怒られそうだし悟は慣れ慣れすぎだろうし悟くんはなんか嫌なのでそう呼んだら



目元を抑えてため息をつきながら天を仰いだ


なに？空に呪霊でもいた？



傑くんはもう隠す気もなく爆笑してるし


なんだこれ



五条「・・名前」

『え？』

五条「それでいい」

『分かりました悟さん』

五条「んっ！………あんま呼ぶんじゃねぇよ！」


なんなんだよこいつ

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