【続々】ホワイ((以下略

29.〇 ページ30

Noside…



加州「懐かしいでしょ。あそこで鶴丸が落とし穴作ったり」



『・・うん』


Aは虚ろな瞳をしているが加州に連れられる散歩の時間は好きだった。嫌な思い出ばかりでは無い萌が来るまでは平和だった本丸の思い出が蘇るから



岩融「……ｯｯ」


加州に手を引かれ廊下を歩いていたら裏庭から出てきた岩融と鉢合わせる



加州「あー、主あっち行こっか」



岩融は狂っている刀剣男士の中でまだ正気を保っていた



いや、実際は闇落ちをしかけていたのだ、しかし幸か不幸か加州がAを連れてきたことによってそれは防がれたのだが




岩融「あ・・！・・・その、加州。その方の体調には気をつけて、」


加州「うるさいなぁ。早く行こ主」



『・・うん』



岩融がAを主と呼ぶことは無い。それは自分にそう呼ぶ資格がないと思っているからなのだがそんなことを知らないAはまだ恨まれているんだと勘違いするだけだった



_____



加州「主〜、岩融と今剣にはあんまり会わないようにしてね」



『……うん』



"・・・"



『ピタッ)』



加州「主・・？」




まったく反応のなかったAがいきなり立ち止まり辺りを見渡した


その反応に加州は怪訝そうな顔をする



"きづいて・・あのばしょに・・・"



『こえが・・』



加州「声？何も聞こえないけど」



今度ははっきり聞こえたのかAは声を漏らすがどうやらこの声はAにしか聞こえないらしい




『な、んでもない…』



加州「ふーん？行くよ」




ジャラジャラとなる鎖の音




この鎖があるかぎりAが解放されることは無い





"逃がしてあげる。あの場所に来て"

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