百獣の王は恋人に甘い【ツイステ】

出会い ページ20

〇✕年前王都の外れー酒場ー




「おい、聞いたか今日あの子来るってよ」

「お！まじか！噂は聞いてたけど初だぜ〜」

「年齢も出身も不詳。分かってるのは頭にスターチスの花を刺してることだけ」

「謎の女"スターチス"絶世の美女の踊りが見れるなんてな」




酒場はある噂で持ちきりだった



ラギ「おーおー、凄い噂っすね。さて、スターチスがレオナさんが探してる女かどうか確かめないと」



酒場の影でフードを深く被りしっししと笑う男




そんな視線を知ってか知らずかスターチスの花を頭に飾りゆっくりと酒場に現れた女



その姿を見たもの全てが息を飲んだ




彼女の纏う空気は酒場の酒の匂いをかき消すように澄んだもので彼女の周りだけ光が当たるようだった




『・・・(にこ』



踊り子の衣装に身を包んだ彼女はゆっくり顔を上げにこりと笑った



音楽にあわせて踊り出す



少女のように可憐で淑女のように淑やかで女神の如く美しくどこか艶やかさを纏う踊り



信じ難いことに彼女は今年12の歳を迎える幼子なのだ


彼女の踊りは人々を引き付けた




少女は一礼し酒場を見渡した




『(金、金、茶、赤、オレンジ、・・黒！じゃない、金、)』




少女は人々の髪を見つめはぁとため息をつく




ラギ「ぼそっ)見つけた、あの子だ」




ラギーは酒場からため息をつきながら出た少女を追いかけた



酒場を出た少女は驚くことにフードといったラフな格好で雑に紐で髪を結び人混みに紛れていた



恐らく先程までの踊り子の衣装は魔法で作った物なのだろう



ラギ(少ない布からあの衣装を創り出すとか天才すぎでしょ)



後ろから後を追うラギーはやべーと苦笑いする




先程まで男たちの視線を集めていた少女とは思えぬほど街の人間はAを素通りする




ラギ(認識操作の魔法まで組み合わせるとか化け物っすね)



魔法を同時に使うことは難しい。いとも簡単に使うA




路地の裏に入った所でラギーはAに声をかけた




ラギ「こんにちはっす。お嬢さん」



『こんにちは…え、えっと、すみません』



少女はいきなり話しかけられ怯えている。あの踊りをしていた自信はどこにいったのだろう




ラギ「さっきと全然違うっすね」


『え、なんで…』



魔法で認識操作までしたのに何故同一人物と分かるのだろうと首を傾げるA




ラギ「まあ、それはおいといて。ある人の前で踊って欲しいんすけど頼めるっすか？」




ラギーはにっと笑った

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