Foever Bad Halloween【浦島坂田船】 (ページ8)

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2.Contract ページ8

「りょーかい」

ニヤリと吸血鬼が口角を上げる。
本物の吸血鬼かどうかなんて分からない。けれど、確実にその笑顔は不気味で、殺気立っていた。

私の大切な皆が殺されていくのをお菓子を貪りながら見ていただけのこの四人にすらも殺意を覚えるが、一番の敵は目の前の人間だ。

吸血鬼の姿が人とは思えない姿に変わり、瞬きをする瞬間には、もう、犯人は事切れていた。

「……ぁ、あぁぁ、」

犯人は、死者を前にすればこうも呆気なく死んでしまえたのに。こうしていれば、皆も死ななかったのに。

「ぉ、じょ、……」

「ア、アレン！？生きてるの！？喋っちゃダメ！今すぐ助けを呼ぶわ！」

「ちが、……こ、ろして。………たす、かり、ません………お…さまが…………ころ、して」

「でも、」

「さい、ごの……おねが、い。…………いきて、」

ジャックもニーナもミッシェルも一瞬で死んでしまったが、アレンは急所を逸れたために死ぬことも出来ずに苦しんでいた。死ぬほどの傷なのに、死ねないままの苦しみを味わっていた。

私はどうすればいい。

「人間、殺さんのか？それやったら俺が殺──」

「嫌！貴方にそれはさせないわ！」

そっとアレンに突き刺さるナイフを抜き取る。
フーッ、フーッ、と嗚咽が漏れそうになるのを堪える。涙がボロボロと溢れ、下唇を目一杯噛み締める。

ギュッと震えながらもナイフを手に握る。
最後まで聞くのが雇い主としての使命だろう。最後ぐらい、きちんと願いを聞いてあげなければ。
アレンが優しくしてくれたのだから。それに応えてあげなければ。

使用人の四人とは、両親よりも過ごす時間は長かった。一緒に怒られたし、笑い合った。ご飯を食べたり、一緒に寝たり、休日には出掛けたり、勉強をしたり、料理をしたり、掃除をしたり、運動をしたり。なんでも一緒にやってきた。

「アレン、皆の分も生きるわ。……愛してる」

「ぉ、れも、あい、してます。み……な、ぁい……ます。A、あい……す」

「本当にごめん。愛してるわ。永遠に…！」

トスリ、と簡単に心臓にナイフを突き立てれば、アレンは笑顔のまま目を瞑る。
最期の顔が安らかで良かった。私のために笑ってくれているのだろう。痛くて苦しくて堪らない筈なのに。

大好きな皆だった。
家族も、使用人も。
ミッシェルも。
ニーナも。
アレンも。
ジャックも。

大好きで、愛していた。

「ああああああああぁぁぁぁあああ！！！！！」

。。。

今日の新曲上がってからが本番です^-^

今日の新曲と、先日の曲と合わせて楽しめる内容にします！