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「お前らやめろて!」

「はぁ!?センラ黙れ!このクソガキがホットミルク作ったのにうるさいねん!」

「アンタがタバスコなんて入れてるからでしょう!?最ッ悪よ!明日は早いのに寝られないじゃない!」


Aがホットミルクの入っていたカップを坂田に投げ付けると、ガシャン!と音を立てて割れ落ちた。


「ストップ!!Aも坂田も一回落ち着け!坂田も流石にそれはバカちゃう!?一回部屋行っとれ!」

「何でやねん!まーしぃまでクソガキの肩持つんか!?」

「じゃあお前が帽子の歯車に水垂らされたら怒らんで居れるか!?それと一緒や!部屋行け!」

「……チッ、はぁい」


まーしぃの歯車に水を垂らすと言う喩えはよく分からないし、少し違う気もするがここで俺が口を挟めば収集がつかなくなってしまうので口を噤む。

坂田は相変わらず不貞腐れた様子でバタン!と部屋の扉を怒り任せに閉める。
坂田も少しはこのクソガキの身の振り方を思い知れば良いと思ったが、流石にここまで行くとは思わなかったし、今回のは完全に坂田が悪いので何も言えない。


「A、すまなかった」

「……死者は常識が欠如しているの?人間味が欠陥していることは分かったけれど。」

「常識はねぇ。けど、ホットミルクにタバスコ入れるなんて事が流石にバカなのは分かってる」

「そう。坂田も言葉遣いやあの振る舞いを除けば素晴らしい使用人なのだけれど。それと、私が銃の引き金を引く前に来てくれたこと、感謝するわ。」


腹が立つばかりであるが、確かにAは音勢の人間に立つものとしての素質はあるようだ。幾ら死者と言えども、使用人に対して感謝や謝辞を述べることは出来る。案外素直なものだ。

これが十八にも満たない少女であると言うものだから驚愕だ。頭は切れるし、大勢の人間の上に立つ素質がある。それはオリヴィア家の者としての血筋が故にそうさせているのか、教養の上でそうなったのか。今現在も表情一つ変えずにつらつらと話す姿は冷静過ぎるぐらいに冷静で、明らかに年齢不相応である。


「何だ、その、俺も悪かったと思ってるから…ほらよ、ホットミルク。」


腰に差していたステッキを手に取り、クルリと回せばAの手元スッポリとホットミルクが嵌り、少しばかりの変化ではあるが、驚いていた。


「……驚いた。これも魔法?」

「あぁ。人前では使わねぇから安心しろ。どうせ使ったら怒るんだろ。」

「そうしてくれると有難いわ。」


白いカップを色付きのいい薄いピンクの唇に近付け、コクリ、と一口ミルクを飲むその姿は大層美しいと感じられた。

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鎖座波(プロフ) - れいさん» 嬉しいです!それあるあるですね笑笑 (2020年11月23日 0時) (レス) id: a183fb70e9 (このIDを非表示/違反報告)
鎖座波(プロフ) - ねこまる先生。さん» アッ嬉しいです(涙) (2020年11月23日 0時) (レス) id: a183fb70e9 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - これ私評価したっけ、、、ポチッ[既に投票済みです(無効)] (・ω・) (2020年11月4日 8時) (レス) id: 6b7b145b17 (このIDを非表示/違反報告)
ねこまる先生。 - アッ好きです…(震え) (2020年11月3日 21時) (レス) id: 1f53132dc8 (このIDを非表示/違反報告)
鎖座波(プロフ) - トーストぱんさん» ぱんちゃん(;_;)ゾクゾクしてくれて何よりです!!感想ありがとう!! (2020年10月31日 13時) (レス) id: a183fb70e9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鎖座波 | 作者ホームページ:Greedy girl  
作成日時:2020年10月30日 4時

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