Foever Bad Halloween【浦島坂田船】 (ページ15)

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「まーしぃ、今のうちにそこの血痕消しとくぞ。後々うだうだ文句言われても面倒だからな」

「ええ、何で？こんな綺麗に壁に付いとる血痕綺麗に決まっとるやん」

「人間からしたら綺麗とかクソもねぇんだよ。生前の人間味が欠けてるとは言え、相手に合わせなきゃなんねぇからな」

「傲慢なAサマのお願い聞かなならんやろうしなぁ……りょーかい」

パチン、とまーしぃが指を鳴らせば骸骨がカタリと音を鳴らして壁に向かってガバリと口を開ける。いつ見ても気持ち悪い絵面であるし、俺からしたら気味が悪いことこの上ない。死んでしまった身とは言え、まーしぃが使う魔法は気味が悪いのだ。悪趣味にも程がある。

骸骨の口がガバリと開いたら、次には目が光り、壁の血痕は消える。気色の悪い魔法に、気味の悪い骸骨。最悪な絵面だ。どうにかして欲しい。

「うわあああぁぁぁ！！！何やねん！！！ホットミルク作ったやんけ！！！何をそんな文句言うてんねん！うっさいわバカ！アホ！！！」

「声が大きい！うるさい！これのどこがホットミルクよ！馬鹿は貴方でしょう！？」

少し離れた場所から坂田の怒号とAの怒号が織り交ざって聞こえてくる。最悪な不協和音。こうなることはある程度想像が付いていたし、こうなれ、と思っていた部分もあるため俺は満足だ。

気が短い、とは言わないがあの性格の契約主とは折が合わないであろう坂田は絶対に喧嘩するし癇癪を起こしてもおかしくは無いと思っていた。と言うか寧ろ逆に癇癪を起こさない方がおかしい。

「うおっ、喧嘩？うらさん、狙ってやったやろ？」

「はっ、当たり前だろあんなこと言ってんだ！身をもって知れバカ坂田！！！」

「アンタらホンマええ性格してますわ」

とは言え、先程の大きな音に驚いてしまったまーしぃとセンラ。まーしぃの出していた骸骨は崩れ落ちて消えてしまい、センラが頬杖を付いていた手からずるりと落ちる。

はた、とここに来て坂田の性格の行く末を思い出す。癇癪を起こしてしまえば、誰彼構わずに魔法を使う節があるがある為大変危険である。俺もまーしぃもセンラもそれについては身を持って知っていた。

マズい、と三人が三人とも同じタイミングで気付くとバタバタと足音を立ててその場へ走る。
屋敷が広いとは言えども、俺たちは魔法を使用することが出来る。それを利用して素早くA達がいる部屋の扉をバン！と開く。

扉を開けば、坂田の帽子が浮いて、歯車がクルクルと回っている。Aは殺気立ったまま、ハンドガンを坂田に向けていた。