Foever Bad Halloween【浦島坂田船】 (ページ13)

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3.Wizard ページ13

契約者を持つのは何度もしてきた事だったために慣れていたが、少女が契約者であることは初めてだった。
少女でありながら貪欲で頭の切れる人間である。
普段であれば、この世に居続ける事は出来ないが、契約人が居る場合はこの世に居続けることが出来る。
年齢も少女であるから少しではあるが長い期間居続けることが可能だ。

過去の契約人はやれ大金が欲しいだの、憎い相手を殺せだの。在り来りな契約を持ち掛けては直ぐに満了してしまっていたために、直ぐに俺らは魂を喰らった。
そのせいで満足にこちらの世界に居たことなんて無い。

だが、今回の契約内容は「復讐相手を契約主が殺す事、真犯人を突き止めて殺すこと」だった。
十八にも満たないのに、よくもまァ頭が回るものだ。

「ただいま……って。は？うらた一人だけ？」

「そうだけど。他は遊んでる」

「…まぁいいわ。先にお風呂に入る。ディナーの準備は出来てるの？」

「まだ準備してねぇよ。帰ってくる時間遅かったら食べないかと思って。女ってそんなもんだろ。」

「確かにそうだわ。じゃあ、入浴ついでに浴室の説明もするから着いてきて頂戴。」

傲慢ではあるが、素直である。使用人への質の高さを求め、当家が少しでも落ちぶれようことがあるものならば許さない。その傲慢さは彼女にとっては無ければならない物だ。それと同時に、年齢相応の素直さも持ち合わせている。
両親が亡くなったばかりだと言うのに、ここまで冷静なのを年相応と言っていいのかは分からないが。

閑話休題。

Aが羽織っていたものを脱ぎ、俺に差し出してくるので、それを魔法でフワフワと中空に浮かせる。

「あぁ、そうそう。寝る前にホットミルクを飲みたいから出しておいてくれる？」

「へいへい」

「了解しました、よ。せめて少しは敬語を使おうとしなさい。」

「……了解しました」

舌打ちをしそうになるのを飲み込み、浴室までついて行く。浴室も広く、大人数で入ることが可能に見えたが俺達が入ることは無い。

それはそうと、少女相手に頭を低くして接して行かなければならないのは何ともまぁ腹立たしいことだ。正に縋り付く惨めで愚かな人間で小娘と来た。それに仕えるのは気乗りしない。
だがこれは契約。仕方がない。仕方がない。

ンな訳あるかクソ。

瞬時に俺は魔法を使って三人が居る部屋へと瞬間移動する。一瞬のことであれば許されるだろう。

「っだあああぁぁぁぁッッ！あンのクソガキ！！腹立つッ！！！！クッソ！！！！」

今日一番、大きな声が響いた。

。。。

ついったー！
@sazanami_urtk