世間的には浮気をしていますがこれっぽっちも私は悪くないしむしろ浮気の方が本命です【桃】

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Aside

さ｢まぁまぁ買ったな｣
『全部着れるかな……？』
さ｢着れなくてもいいけど……あいつの前で着ないで欲しい｣
『当たり前じゃん』


夕方、あらかた服を買って帰ることになる

帰りたくない
またあいつと会うのか

ろくに会話もしないのに


『帰りたくない』
さ｢俺も帰したくない｣
『でも明後日は仕事だし』
さ｢さすがに帰んないと？｣
『んー……やだな』
さ｢頑張って
それしか言って上げれないけど｣


道のど真ん中で力いっぱい抱きしめられる

ほんと好き
やっぱ大好き


『でも帰る』
さ｢そっか｣
『また頑張るから……また会った時褒めて？』
さ｢褒めるよ
なんなら甘やかすし、いっぱい抱きしめるし、いっぱいくっつくよ｣
『頑張る』
さ｢でも、無理すんなよ
なんかあったらいつでも呼んで……すぐ行くから｣
『ん』


背中と後頭部に回っていた手が離れて喪失感を感じる
帰んなきゃ


『またね』
さ｢じゃあな｣


買い物袋を両手に下げて振り返らないで歩く
振り返ったら帰れなくなるから

きっと、ベットのシーツは洗濯されたばかりで
寝心地がいいに違いない

それに至る経緯なんてどうでもいい


明後日までひたすら寝て過ごそう

あいつのことなんて知らない

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