お義兄さん、構わないでいいです【紫】

26 ページ27

Aside

母「………どういうつもり」


お母さんがようやく放った言葉はそれだった
どうもこうもないよ


『もっと、早くやるべきだったことをしただけ』


ずっとうまく喋れなかったのは喉が痛かったから
お母さんをかばおうとし続けたから

でも、かばう必要なんてなかったんだよね


な「とりあえずうちから出てってもらえます？」
母「はぁ！？」
な「あとのことは“俺達”の父親と話してもらえますか？」
母「別に構わないわよ、離婚でも」
な「そうなるでしょうね、これからは一人で頑張ってください」
母「何言ってるの？A、行くわよ」
『行かない』
母「あんた、どこまで私に迷惑かけるつもりなわけ！？」
『今までのこと全部なかったことにしてあげるから…二度と関わらないで』


椅子に座る私の腕を掴んで離さない母親
私はものじゃない


母「行くわよ」
『行かないって』
母「親に逆らうつもり！？」
『親らしいことなんてしてくれたことないくせに…親ぶらないでよ
それに、お母さんがしたことは犯罪だよ……バラされたくないんだったら、関わらないで』


そう言ってお母さんの手を振り払う
もう、この人に縛られるつもりはない


『さようなら、お元気で』


もう、あなたに会うことはないから

27→←25

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す