リアコじゃないので推しは恋愛対象外につき、潔く諦めてください【紫】

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ななもり。side

な｢俺さぁ、めっちゃ好きな子いるんだけどさ
全然振り向いて貰えないんだよねー

好きってめっちゃ言って、褒めて

全力でアピールして

なんなら外堀からどんどん埋めてってるのにさ
ダメなんだよね｣


会社のバルコニーで、缶コーヒーを持ったまま呟く
もちろん独り言じゃない


『……本人に言います？』
な｢ちょっと新しい方向でアプローチしてみようかと｣
『押してダメなら引いてみろって言葉知らないんですか？』
な｢押してダメならもっと押すのが俺だから｣


でも、俺は今までのことが無駄じゃないことを知ってる

最初に比べたら笑ってくれる
適度なスキンシップなら何も言わない
ちょっかいをかけてくるようになった
表情が柔らかくなった

少しずつ、でも確実に距離は縮んだ

無駄じゃない

やって良かった


そう思ってる



『寒くないんですか？
明日、アニメイトでの撮影なんですから
風邪ひかれたら困ります』
な｢なに〜？俺の事心配してくれてんの？｣
『そりゃ、しますよ
てゆーか、寒いんで私中に戻りますね』
な｢ん？俺にくっついたら良くない？｣


ふざけ半分で腕を広げる

まぁ、来てくれるなんて思っちゃいないけど


『……仕方ないですね』
な｢えっ｣


意外なことに素直に俺にくっつきに
否、抱きつきに来た

待って待って、俺の頭じゃちょっと抱えきれないんだけど


『くっついて欲しいならそう言ってください
たまになら聞いてあげてもいいですよ？』
な｢俺ここまでは求めてなかったけどねー｣


ほら、無駄じゃない

だから俺は何回も言うよ


な｢やっぱ好き
俺と付き合わない？｣
『遠慮しときまーす』
な｢ちぇ｣


いつか頷いてもらえるその日まで
何回だって言ってやる

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