ぱぱのむすめがいい【桃】

story49 ページ10

さとみside

まさか、俺があの九条正孝とカフェで対面してるなんて誰が思うだろう


あの後、近くのカフェで話すことを決めて、つぐみをころんに任せて家を出た


沈黙が重たい
話題が話題だからな


正「まず……その、母親を亡くしたつぐみを引き取って下さってありがとうございました。」
さ「い、いえ……」

何を言えばいいのかわからん

正「単刀直入に言いますと、もし可能ならつぐみのことは引き取りたいです。ですが……無理強いするつもりはありません。」
さ「え……」
正「言い訳にはなってしまいますが、山川にはつぐみの所在だけ探すように言っていたんです。ですが、突然押しかけて、混乱させるような真似をして申し訳ございません」

あの秘書の行動は、早とちりだったってことか？

さ「こちらこそ、ろくにお話も聞かずにすみませんでした。」
正「いえいえ」

会話が途切れる
何を言えばいいのか分からない

正「あの……仮につぐみを引き取らせて頂けたとしても、後継ぎにするつもりはないです」
さ「え？」

またもや意外な事に驚く
驚いてばっかだな

正「後継ぎとして過ごす苦痛は誰よりも知ってるつもりです。それに、家の事情があったといえど、はなとつぐみを守ることが出来なかった私に、そんなことを強いる権利は無いです」


いい人なのが分かる
もしかしたら……つぐみはこの人といる方が幸せなのか？

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