ぱぱのむすめがいい【桃】

story43 ページ4

さとみside

山「ご足労頂きありがとうございます。」


指定された場所に行く
俺の腕にいるつぐみは訳がわからないというような顔をしている

なーくんと一緒に用意された席に座る
つぐみは俺が抱っこしたままだ

さ「で？要件はなんですか」

あらかたわかってる
何を言おうとしてるかなんて

山「つぐみお嬢様を、お引き取りしたいと考えております」

な「はなさんが死んでも、何もしなかったあなた方がですか？」

横を見れば、なーくんが怒っているのがわかる
怖いのかつぐみは俺の服を掴む
その手を軽く握ってやることしかできない

山「それに関しましては、誠に申し訳ございません。
私共も、はな様とつぐみお嬢様の所在を特定しかねておりました」

さ「そもそもとして、なんで2人の所在が分からないようなことになっていたんですか？つぐみの存在は知ってたんですよね？」

俺となーくんが気になっていた事の一つ


山「はな様は、正妻ではございませんでした。それゆえに、隠し子にあたるつぐみお嬢様をこちらで育てることは出来ませんでした」

な「それで？その正妻が死んで、後継ぎとなる子も死んだらつぐみちゃんを跡取りにってことですか？いささか都合が良すぎると思いますけど」

つぐみは物じゃない
こいつらの都合でどうこうなって良いわけがない

山「…そのように言われても仕方がないことは、私達も重々承知しております。」





つーか


はなちゃんが死んだことにもこいつら、多少は関係あんじゃねーの？


こいつらが、二人のことをちゃんと守っていればそんなこと起きなかっただろ


それに


こうゆう時でも普通、秘書が来るか？


自分で来いよ




さ「取り敢えず、今日の所は帰らせて頂きたい。
あと、九条さんにお伝え頂きたい。
自分の娘を引き取りたいと言うのに、自分で来ない人間が父親になれるとは思わないと」

story44→←story42

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す