うちの弟達は出来が良すぎる【stpr】2

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Aside

「で？行く宛がなくてうちに来たってわけ？」
『ソウデス』


結局行くあてが見つからなかった私は
高校時代の友達の家に転がり込んだ

まぁ、ここならどうにかなるかなって
うん

なってくれ


「っていうかさぁ…」
『何』
「あんたバカ？」
『え？』


私に紅茶を差し出しながら私を思いっきりバカにしてくる
え、何怖い


「あんたさ、自分の弟たちのこと本当に何もわかってないのね」
『いや、わかってるし』
「じゃあ聞くけど
あんたの弟たちは、あんたが実のお姉ちゃんじゃなかったからって
簡単にあんたのことを嫌いになるような薄情な奴らなわけ？」


違う
そんなんじゃないことを私は誰よりも知ってる

多分、私が実のお姉ちゃんじゃなかったからって私のことを嫌いになったりはしないし
今まで通りで居させてくれるんだと思う

だから

それがわかってるから家にいれなかった

そのみんなの優しさが、今は怖くて仕方がない


『わかってるよ…わかってるから、怖いの』
「…私も言い過ぎた…
けどね


絶対今頃血眼になってあんたのこと探してると思うよ」
『やっぱりそうなのかな…』
「絶対そうだよ」


まぁ、たしかに
みんなのことだし…

なーくんと莉犬ぐらいは大学サボって私のこと探してそうだな


「でも、やっぱり兄弟ってすごいと思うわ」
『は？』
「血が繋がって無くても、長年一緒に過ごして
兄弟同然で育つと思考回路って似るのね」


声を上げて笑いながら
なぜか、おそらく寝室と思われる部屋に入る友人

なにするんだこいつ


「弟くん“達”


もういいよ」


驚きすぎて言葉が出なかった
だって、寝室と思わしき部屋から

みんなが出てきたから


な「これでも俺、もう18年ぐらい？お姉ちゃんの弟やってるんだよね」
り「さすがにそんだけやってれば行きそうなところもわかるっていうか」
さ「まぁ…それでも絞るのクソ大変だったけど」
こ「6人もいればそれもどうにかなるしね」
ジ「ねーちゃん帰ろうや」
る「1回話しましょう、兄弟全員で」


『なにそれ…お前ら私のこと大好きかよ』


照れ隠しにもならないような、こんな言葉しか出てこなかった

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