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偽りの戯言 ページ16

紗菜「それでね、その素材を運ぶ時転んで落としちゃったの。その後、上司の人に怒られちゃったんだ」


『そうだったの?ミスは誰にでもあるから問題ないわよ』


紗菜「そうだけど、結果が全てだからさ。プラス思考になれないんだよね」


『でも、自分を責めてたらどうにもならないわよ。心が死ぬわ』


紗菜「お姉ちゃんは本当に強いよね…。……そうだね!できるだけプラス思考に考えられるように頑張る!」


『ん。なら良いわ。愚痴ならいくらでも聞くわよ?』


紗菜「ありがとう!お姉ちゃん!」


今私は妹である紗菜とカフェで仕事について話している


仕事の話とはいえ、私の本業は言っていない。自分から自分の仕事も言っていない


紗菜「そういえば、お姉ちゃんはなんの仕事をしているの?」


純粋な疑問


‥なんて答えれば良いのだろうか


とにかく、何とか乗り切るしかない


『ICT系の仕事』


紗菜「そうなんだ!凄いね、お姉ちゃんは!」


『凄くなんかない』


そう。凄くなんかない


気づかないの?紗菜。嘘だって。偽りだって


紗菜「そうかな?でも、ICT系の仕事って事は数学の知識はもちろんって感じだよね?それって凄いと思うなぁ〜」


数学の知識?


殺しの知識しかないよ?私は


幼い頃から叩き込んだ知識


死に物狂いで叩き込んだ知識


知りたくなかった知識


そんなのしかない


それを知って、本当に凄いって言えるの?


紗菜「やっぱり、お姉ちゃんはいつも私の上にいるね。追い越すことなんて出来ないや」


『…そう』


……私は、貴女が羨ましいわ。紗菜

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作者名:ゆるんるん | 作成日時:2022年12月14日 21時

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