stay for me (ページ4)

今日:13 hit、昨日:0 hit、合計:238,630 hit

・× GD ページ4

顔、良し。
スタイル、良し。
立ち振る舞い、良し。

初対面の女にジヨンでいいよ。
なんて言ったの初めてだなそういえば…

でもジヨン様って。笑
いや、確かにそうなんだけど…

呼び捨てでもいいのに、そうしないのはここがAの職場だからか。

Aが淡々と会話をするからなのかなんなのか。
妙に落ち着いてる俺が居たりして。

「Aって源氏名？」

「本名もAです。」

「源氏名と本名が一緒なんて珍しいな。」

「そうですね。でもわたしは嘘偽りなくお客様と接したいので、源氏名も本名にしてるんです。」

それって…クォンジヨンがG-DRAGONって名前で活動していることを批判してるってこと？
俺が、嘘偽ってるってこと？
そのまま捉えたらそういう意味だろ？

「あの、ジヨン様？」

目線を下げた俺の顔をAが覗き込んだ。

「ジヨン様がG-DRAGONって名前で活動していることを責めてるわけではないですよ？」

「え？」

「G-DRAGONになれば弱い自分をカバーできるじゃないですか。それってすごいことです。」

…

「例えばクォンジヨンがどれだけ弱くて、繊細で傷つきやすくても、G-DRAGONになれば強くなれるじゃないですか。
あ、でも強くならなきゃいけないのかな…」

なんなんだよ。この女。

「それはそれで苦痛になる時があるのかもしれないけど…でもジヨン様はジヨン様ですよ。
G-DRAGONはジヨン様を助けるスーパーヒーロー。重荷になるかもしれないけど、卑下することは全くないです。」

なんで俺がもう1人の自分影に怯えてる事がわかったの？

大きくなりすぎたG-DRAGONを手放して、クォンジヨンという1人の男として生きて行きたい。って思うことがあるんだ。

俺はここだよ。って。

「わたしはいつもかっこいいG-DRAGONも好きですけど…何も飾らない普通なジヨン様の方が好きですよ。
自分を曝け出して、楽しい時間を過ごせたらいいな…って。これは、わたしの願望ですけどね？笑」

しっかりと目を合わせて、Aがニコッって綺麗な笑顔を見せた。

なんて綺麗な笑顔なんだろう…

この世の全てを悟って、理解して、淀んだ感情なんて一切ないようなそんな表情…今の俺にはできない。

Aの笑顔を見たその瞬間、俺の心臓が大きく跳ねて、モノクロになりかけてた世界が一気に色鮮やかになったんだ。

それは。
カラフルに、華やかに。

Aの第一印象は、笑顔の綺麗な女。だった。