【ナンバカ】短編恋愛集16

俺たちの絆 02 -咫七渦蛟- ページ19

A｢あ、いけね！本部に呼び出し食らってたんだ！｣


急に慌て出すA
まあこの落ち着きのなさはいつもの事だ


咫七渦｢いってらー。｣


俺はAに手を振った


八摩陀｢気をつけてね。｣


そう小さく呟いた八摩陀を見た
口元を歪めて微かに笑ってる
まったく可愛いやつだ
ちょっとからかってやりたくなった



咫七渦｢そんなにAが好きかー？八摩陀ー。｣


肩を組んで赤くなった頬を指で突っついた


八摩陀｢！｣


八摩陀は目を見開いて俺を見た
その表情を見て触れてはいけなかったと後悔した


咫七渦｢悪い…。｣


気まずくなり八摩陀から離れた
そして誤魔化そうと笑いながら口を開くと


八摩陀｢好きだよ。｣


俺を遮って八摩陀が言った


八摩陀｢俺はAが好きだよ。｣


真っ直ぐな強い目をして言った
驚いた
あの八摩陀が恥ずかしがることも無く堂々とAへの気持ちを口にした


八摩陀｢でも咫七渦くんだって好きだよね。｣


八摩陀にバレていた
俺のずっと隠していたAへの気持ち
俺自身ですらその気持ちに蓋をしていたのに


咫七渦｢…ははっ…。バレてたか。｣


頭をかいて次へ続く言葉を探した


咫七渦｢でも八摩陀と六羅神も好きだぞ。｣


間違っちゃいない
俺はAも八摩陀と六羅神もみんな好きだ
今までもこれからもずっと
変わらずずっとだ


八摩陀｢違う…。｣


八摩陀はそんな俺を否定した


八摩陀｢その｢好き｣はAと俺たちじゃ違う。｣


何でだよ八摩陀
今更何でそんなこと言うんだよ
もし俺が｢女の子としてAが好きだ｣と認めてしまえば
俺たちの関係は変わってしまうだろ


咫七渦｢まあ…いいじゃん。それよりさ！｣

八摩陀｢良くないよ！｣


八摩陀は俺の胸を強く握った拳で叩いた
弱々しくだったけどその拳に俺への怒りが込められているのを感じた


八摩陀｢何で俺なんかに遠慮すんの…？｣

咫七渦｢遠慮なんかしてないよ別に…。｣

八摩陀｢嘘つき。咫七渦くんさっきから嘘ばっか。｣


何だよ八摩陀 …


八摩陀｢俺たち仲間なのに嘘つくなんておかしいよ！｣


やめろよ…


八摩陀｢咫七渦くんもう誤魔化すのやめようよ！｣


ふざけんなよ八摩陀

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