【ナンバカ】短編恋愛集16

恋人不足04　-六力大仙- ページ17

A｢…もう…何でもしてあげるよ…。｣


彼の胸に飛び込んだ


A｢これからは全部六力にあげるよ。
　 これまで大会のために費やした時間は勿論全部全部六力にあげる！｣


私はもう満たされた
望むものなんて何も無い
彼以外


六力｢その言葉聞けただけで十分だ。ごめんA。｣


優しく優しく抱きしめてくれた


六力｢俺、ずっと見栄張ってたけどいっぱいいっぱいなんだわ。｣


六力が私の耳元で大きくため息をついた


六力｢A不足で頭おかしくなってた。｣


六力…


A｢よしよし！｣


私は六力の頭を雑に思いっきり撫でた


A｢よくがんばったね！｣


そうだよ
私だけじゃない
六力だってよく頑張ってくれたよ
わがままも言わず我慢して私の為に尽くしてくれた


六力｢A…。｣

A｢もう頑張らなくていいよ。
　 わがままいっぱい言って！｣

六力｢Aが欲しい！｣


六力がキスをした
私の顔を両手でぎゅっと掴み貪るように唇が食らいついてきた


六力｢好きだ…好き…。｣


キスの間につぶやく
愛おしい
そんな六力が愛おしい
でも…


六力｢ぐほっ！｣


そんな彼を投げ飛ばした


A｢ごめん！でもこれ以上は無理！｣


床で伸びる六力


A｢まじごめん。｣

六力｢いや、ありがとう。目が覚めた。｣


それはよかった


六力｢本当強くなったなA。俺なんかもう歯が立たないわ。｣

A｢何かあんま嬉しくないかも。｣

六力｢でも俺はちゃんとお前の弱いとこ知ってるから。｣


私に手を伸ばして耳を指先でなぞった


A｢んっ！｣

六力｢続きは後でな。｣


嬉しそうに笑う六力
私たちは弱いけどそんなお互いの弱さを愛してる

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