あの人の面影を追って03 -三蔵法月- ページ40
A「人はね、命が亡くなっても
思い出してくれる人がいれば生きられるんだよ。
法月がお姉さんのことを思い出さなくなってしまった時に
お姉さんは本当に死んじゃうんだよ。」
僕の胸に指を指す
A「お姉さん…今もこうして法月の中で生きてるんだね。 」
Aさんの言葉が指された指を通って僕の胸を突き刺した
僕を凛として見つめるAさんに姉さんの姿が重なる
A「泣き虫だなぁ。法月は。」
溢れてくる涙をAさんが拭いてくれた
確か昔もこんなことがあった気がする
幼い頃の姉さんとの記憶が蘇った
A「私がお姉さんの代わりに慰めてあげるから
好きなだけ泣きなさい。」
僕の体を優しく抱きしめてくれた
「お姉さんの代わり」という言葉に少しの引っ掛かりを感じたのだけれど
あの日から姉さんとの思い出は全て悲しくて寂しくて辛いものになっていたのに
何故こんなに心を温かくするのだろう
そうか
これが本来あるべき姿だったんだ
法月「ありがとうございます…。」
震える口で必死に伝えた
これで僕も本当に立ち直れる気がする
法月「あなたに会えてよかった…。」
Aさんは僕の気持ちが落ち着くまで寄り添ってくれた
名残惜しいのだけどAさんとの別れはやって来て
A「法月がんばってね。」
朝日が差し込む廊下
またAさんは光の中へ歩き出してしまう
僕はまた手を伸ばした
しかし引き止められるわけも無く
無理やり笑顔を作って「お疲れ様です」と呟いた
A「また会いに来るね！」
不意に出た言葉
法月「次は僕が会いに行きます。」
Aさんは一瞬目を丸くすると嬉しそうに目を細めた
A「待ってる！」
約束ですAさん
僕は必ず会いに行きますから…
とは言えそれを実現するのは中々の勇気がいる
Aさんは本来なら頭をあげることが出来ない相手だ
まだまだ新米の僕が易々と会いになんか…
何度も本部まで出向いたがおそらく
Aさんがいるであろう扉を眺めては帰ってきた
姉さんと猿鬼さんはあんなにも力強く過酷な人生を生き抜いたと言うのに
僕はこんな事すら出来やしないなんて…
今日も遠くからぼんやりと扉を眺めていた
どうせあと数秒したら深いため息をついて踵を返す
分かりきっていた
「何をしているの？」
ところが予想外な事に人から声をかけられた
まずい
連日こんなことしていたら僕は不審者だ
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溺愛アリス(プロフ) - 楓さん» 喜んでいただけて良かったです！他の方からもリクエストを受けていてそちらが10の方で大分お待ちいただくようになるかと思いますが更新します。そちらの方もよろしくお願いします！ (2019年2月2日 13時) (
レス) id: 7c1307ef69 (このIDを非表示/違反報告)
楓 - 一条兎万兎来たー！この日を待ちわびていました！ありがとうございます！やったー！ (2019年2月2日 8時) (レス) id: af0f7febd7 (このIDを非表示/違反報告)
博麗霊夢 - いえいえ、大丈夫ですよ頑張ってください (2019年1月26日 16時) (レス) id: 9cf44a6a4f (このIDを非表示/違反報告)
溺愛アリス(プロフ) - 博麗霊夢さん» お久しぶりです。いつもありがとうございます！リクエスト承ります！が、ご存知の通りリクエストがたんまり溜まっていて大変お待たせしてしまいます。申し訳ないですがよろしくお願いします。 (2019年1月24日 21時) (レス) id: 7c1307ef69 (このIDを非表示/違反報告)
博麗霊夢 - 溺愛アリスさんお久しぶりです。リクで、一角の話をお願いします。 (2019年1月23日 23時) (レス) id: 9cf44a6a4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：溺愛アリス | 作成日時：2018年8月8日 18時
