扉のむこう03 -ジューゴ- ページ3
ジューゴ「本当に行かなくていいのか？」
私がここで立ち上がれば果てしなく広がる海のような
自由を手に入れられる気がする
だけどその果てしない自由が私には怖いと感じた
A「いい…。」
お互いに無言のまま海を眺める
私の頬を濡らしていた涙はいつの間にか潮風に当たっていたせいか乾いていた
そして私の心の中に沈んでいたモヤモヤもどこか遠く
風に乗って吹き飛ばされてしまったみたい
A「…もう少し…ここで頑張ってみる…。」
ジューゴ「そうか。」
朝焼けに照らされたジューゴは微笑んでいた
それて私に手を伸ばして
ジューゴ「帰るぞ。」
A「うん。」
彼の手を掴んで私の舎に戻って行った
ジューゴ「あのさ…。」
無言の帰り道
急にジューゴが口を開いた
ジューゴ「また逃げ出したくなったら…言ってくれよ。」
繋いでいた手がぎゅっと力強く握られる
A「大丈夫。もう逃げ出すなんてしないよ。
胸を張って堂々とここから出て行くことにする。」
ちゃんと辞表出してきれいさっぱり辞めてやる
でもそれまではちゃんと頑張るから
ジューゴ「そうか…。」
少し寂しげなジューゴに今度は私が力強くジューゴの手を握る
A「ありがとねジューゴ。」
久し振りに笑った気がする
表情筋が固くなってしまってちょっとぎこちないかもしれない
ジューゴ「おう。」
ジューゴが笑い返してくれた
ジューゴ「じゃあここで。」
気が付いたら元のいた場所に戻っていた
私たちが出会った静かな暗い廊下
だけど格子の隙間から朝日が差し込んできていつもとは違い
キラキラと眩しく感じた
A「うん。ありがとう。」
ジューゴとの別れに寂しさを感じながら私は背を向けて歩き出した
ここからやり直そう
大丈夫
ジューゴとの出会いが私を変えてくれたはず
ジューゴ「あのさ！」
後ろからジューゴの大きな声がした
振り返ると遠くからジューゴが叫んでいる
ジューゴ「最後にお前の名前教えてくれよ！」
そう言えば私は名前を明かしていなかった
A「私はA。」
ジューゴ「また会おうなA！」
ジューゴはそう叫ぶと手を大きく振って走って行ってしまった
A「不思議な子…。」
急にやって来ては私を外に連れ出そうとし断ると私を送って帰っていく
こんな囚人いるのだろうか
他には絶対いるはずがない
ここだからいるのだろう
ここはあの「南波刑務所」だから
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溺愛アリス(プロフ) - 楓さん» 喜んでいただけて良かったです！他の方からもリクエストを受けていてそちらが10の方で大分お待ちいただくようになるかと思いますが更新します。そちらの方もよろしくお願いします！ (2019年2月2日 13時) (
レス) id: 7c1307ef69 (このIDを非表示/違反報告)
楓 - 一条兎万兎来たー！この日を待ちわびていました！ありがとうございます！やったー！ (2019年2月2日 8時) (レス) id: af0f7febd7 (このIDを非表示/違反報告)
博麗霊夢 - いえいえ、大丈夫ですよ頑張ってください (2019年1月26日 16時) (レス) id: 9cf44a6a4f (このIDを非表示/違反報告)
溺愛アリス(プロフ) - 博麗霊夢さん» お久しぶりです。いつもありがとうございます！リクエスト承ります！が、ご存知の通りリクエストがたんまり溜まっていて大変お待たせしてしまいます。申し訳ないですがよろしくお願いします。 (2019年1月24日 21時) (レス) id: 7c1307ef69 (このIDを非表示/違反報告)
博麗霊夢 - 溺愛アリスさんお久しぶりです。リクで、一角の話をお願いします。 (2019年1月23日 23時) (レス) id: 9cf44a6a4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：溺愛アリス | 作成日時：2018年8月8日 18時
