【ナンバカ】短編恋愛集03 (ページ42)

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囚人達の逆襲04　-5舎編- ページ42

猿門｢何笑ってるんだよ。気持ち悪いな。｣

A｢さっき71番が言ってた事の意味わかってきました。｣

猿門｢は？｣

A｢縛られてる主任めっちゃ興奮します！｣

あの強い主任が手出しできないなんて
今ならやりたい放題だ

猿門｢てめえ何言ってんだよ！｣

顔真っ赤だし
あーもっといじりたい！

猿門｢もう帰れよバカ！
　おい58番！
　俺は必ずここから脱出してお前らにそれなりの罰を与えるぞ。
　わかってるよな？｣

ウパ｢はい…。｣

急なシリアスモード

猿門｢それと…色々納得いかねえけど…何でAだけ自由なんだよ！｣

ウパ｢Aさんなら僕達を手こずらせませんし
　この機会にAさんと普段出来ない事をしてみたいんです。｣

猿門｢普段出来ない事？｣

58番は私の手を握った
その横顔は桜色に染まっていた

ウパ｢こうやって手を繋いで一緒歩く事です。｣

58番に引っ張られて私は牢を出た

ウパ｢猿門さん…今度会ったときは手合わせと…
　好きな女性の振り向かせ方…教えて下さい…。｣

58番の言葉にときめきを隠せなかった
主任は意地悪く笑った

猿門｢その女ってのがAじゃなかったら教えてやるよ。｣

主任何でそんな…
私を見た主任の顔は少し照れくさそうに笑っていた

｢58番とAじゃねえか！｣

声の出処を見ると寝ながらタバコを咥え雑誌を読む猪里さんがいた

A｢どうも…。｣

快適そうで

猪里｢囚人も悪くねえな！仕事しなくて済むし！｣

よかったですね

猪里｢ただここにテレビがねえのがなぁ…。
　 58番、後で71番にラジオでいいから持ってこさせろよ。｣

ウパ｢…はい…。｣

猪里｢Aは何してんだ。
　行くとこねえならお前もここ入れよ。｣

A｢いや…。｣

遠慮させていただきます…

猪里｢これで女がいたら完璧なのによぉ。
　お前色っペー格好してんな。
　ここ入ってもっと近くで見せろや。｣

ウパ｢行きますよAさん。｣

ゴミを見る目で猪里さんを見る58番
足早に牢から離れた

隣の牢にはお腹を出してボリボリかきながら眠る九力と
六力に寝ぼけてパンチを食らわす八力と
八力にパンチを食らいうなされる六力がいた
イビキと寝言と歯ぎしりがうるさい

その隣は隅で｢姉さん助けてください｣としくしく泣いている法月がいた
哀れすぎて声をかけられなかった

とりあえずみなさん元気そうで安心しました