【ナンバカ】短編恋愛集03 (ページ39)

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囚人達の逆襲01　-5舎編- ページ39

｢あっ！何やってるんですかクズ！｣

それは58番の怒ってる声が聞こえたのが始まりだった

｢なんて事を！貴様最低だな！｣

次は2番が取り乱してる
その相手はやはり

｢今更何真面目ぶってるの？
こんなことに比べたら可愛いもんじゃん。｣

71番またよからぬ事をしてるんじゃないか

チィー｢いったぁ！｣

鉄拳制裁食らったな

リャン｢クズがこれ以上勝手な真似をしないうちにAさんを起こすぞ！｣

ウパ｢Aさん起きて下さい！｣

やめて
ゆらさないで

A｢んっ…。｣

絶不調な目覚め

チィー｢ダメダメ！そんな起こし方したら！
　薬切れてないんだから！｣

ウパ｢すみませんAさん…。｣

申し訳なさそうにうつ向く58番をぼんやり見ていたら71番が私の頭を撫でた
温かくて優しい手に安心する

リャン｢それは何のつもりだ。｣

今日の2番はやたら不機嫌だ

チィー｢病人には優しくしなきゃ。｣

ウパ｢自分でしておいて…。｣

チィー｢だってそうするしかなかったでしょ？
　ごめんねAちゃん。｣

頭を撫でていた手がするりと私の頬に移動した

リャン｢汚い手でAさんに触るな。｣

低い声でそう言うと2番が71番の手を掴んだ
怖っ…

リャン｢Aさんお水飲みますか？｣

A｢うん。｣

2番が立ち上がった姿に違和感を覚えた

A｢その服…。｣

後ろ姿はいつもの赤い服ではなく黒い服を着ていた
振り返った2番は看守服を纏っていた

咄嗟に体を起こし71番と58番を確認すると同じく看守服を着ていた

A｢どうして…？｣

2番と58番はうつ向き71番は目が合うとニヤリと笑った

チィー｢南波刑務所は俺達囚人が乗っ取らせてもらったよ。｣

えー！？

強烈なめまいが…

リャン｢Aさん飲んで下さい！｣

そんな私に2番が急いで水を持ってきてくれた

チィー｢しんどかったら薬あげるよ。｣

A｢大丈夫…。｣

2番と58番に支えながら体を起こし水を飲み干した
落ち着け私

A｢どうしてこんな事してるの？｣

この質問に2番と58番は口を噤んでしまう

チィー｢俺は自由になりたかったからさ。
　こんなのも楽しいでしょ？｣

71番らしいクズな回答で…
私は2番と58番の手を握った

A｢君達はそんな事するような子じゃないじゃない。｣

色々あってこの刑務所に来たのはわかってる
でもいつも真面目に鍛錬頑張ってて
本気でこれからの人生を変えようとしてたのに