【ナンバカ】短編恋愛集03 (ページ28)

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囚人達の逆襲01　-4舎編- ページ28

｢貴様ら一体なんのつもりだ！｣

鉄格子をガンガン叩く音
主任が大きな声を張り上げるなんて珍しい

｢うえーん！
お兄ちゃんにお弁当届けなきゃ行けないんですぅー！
ここから出してくださぁいー！｣

ひとちゃんだ
私にもお弁当あるのかな

｢Aちゃん、そろそろ起きようよ。｣

A｢ん…634番…？｣

目を開けると薄暗い部屋
634番の地下牢か

犬士郎｢やっと起きたか。幸せな奴め。｣

ちょっと怒ってらっしゃる…

仁志｢Aちゃん大丈夫？大変なことが起こってるよぉ！｣

半泣きのひとちゃんに支えられながら体を起こした

A｢どうかしたの？｣

犬士郎｢閉じ込められた…。｣

えっ？

犬士郎｢どうやら南波刑務所は囚人達に乗っ取られたらしい…。｣

えー！？

そういや主任…囚人が着ている作業着だ
ワイルドだな

仁志｢僕…こんな可愛くないのやだ…。
　 3舎の囚人さんのがいい…。｣

オレンジのつなぎが似合わないね
634番は…

ムサシ｢いや、俺元々囚人だから変わらないよ？｣

そうだった

仁志｢Aちゃんは似合ってるね。
　車屋さんみたい。｣

喜んでいいのか困るな

A｢何でこんなことになってるの？｣

犬士郎｢知らん!｣

八つ当たりしないで下さい…

A｢何で囚人なのにムサシはここにいるの？｣

ムサシ｢俺に聞かないで…。｣

体育座りで小さくなって泣いていた

仁志｢それ禁句だよ。
　｢囚人なのに仲間はずれにされた｣って落ち込んでるんだから。｣

あっ、ごめん…

…

A｢…つまんないね…。｣

仁志｢ねー。｣

犬士郎｢この状態で楽しむつもりか。｣

だって…

…

動かないから寒くなってきた
そんな時は…

A｢どっこいしょ。｣

ムサシ｢Aちゃん！？｣

634番の横にピッタリと座って手を繋いだ

A｢あったかーい！｣

ムサシ｢えっ…困るよ…。｣

なんか余計634番が温かくなってきた

仁志｢ずるーい！僕もー！｣

ひとちゃんは私の隣に座ってピッタリくっついて来た
なんで私の隣？

A｢ムサシの反対側空いてるよ？｣

仁志｢Aちゃんの隣がいいのー！｣

そう

犬士郎｢図々しい奴め。｣

主任がこっち来た
仲間はずれが嫌なのかな
可愛いとこあるじゃん

ん…？

主任は私を前から抱きしめるように座った

仁志｢主任…恥ずかしくないんですか…？｣

犬士郎｢うるさい…。何も言うな…。｣

顔真っ赤にして
恥ずかしいんですね