【ナンバカ】短編恋愛集03 (ページ14)

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束縛彼氏04　-悟空猿門- ページ14

ハジメ｢A、猿にどこ行ってもストーカー並に
　付きまとわれてうっとおしくないのか？｣

心臓が飛び跳ねた
その答え聞きたくない

A｢それがこの人の愛情だから。｣

愛情…か…
本当にそうだろうか

猿門｢そんなんじゃねえよ。｣

俺のわがままだ
束縛だ

ハジメ｢こんな器のちいせえ野郎のどこがいいんだか。
　猿なんか認めねえからな。｣

ハジメの言葉が痛い

A｢あはは！ハジメちゃんに認める権利はないですー！｣

俺の前で仲良くしてんじゃねえよ
お前は俺のものだろ？

あの時と同じように心臓が暴れ感情が抑えきれなくなるほど溢れ出した

猿門｢お前こっち来い。｣

Aの腕を引っ張り看守室を出た

A｢猿門？どうしたの？｣

Aの声に足を止めた
でももう無理だ
また俺は感情をぶつけてしまう

戸惑っているAを壁に追いやり貪るようにキスをした

苦しそうに声をもらしてさ
そんな可愛い声ハジメにも聞かせたのか？
顔を赤くして涙目でさ
そんな誘ってる顔ハジメにも見せたのか？

シャツのボタンを外してわざと見えるところに痕を残してやった
みんなに見てもらえ
これでお前は俺の物だ
お前は俺だけの物なんだよ

A｢調子に…のるなー！｣

気がついたら景色が反転していた
何が起こったのか全然わからない

天井の切れかけた蛍光灯の光を無心で見ていると端からAの顔が出て来た

A｢ごめん。つい…。｣

Aが申し訳なさそうに呟いた
冷静になった俺の心は決まった

猿門｢こっちこそ今まで悪かった。｣

もう潮時だな
腕で視界を遮った
これでもうAの顔は見なくて済む
みっともない顔を見られることもない

猿門｢お前が俺の事好きじゃないこと始めから知ってたんだ。｣

言葉にすると余計に胸が痛くなる

猿門｢お前の優しさを利用したんだ。汚ねえよな俺。｣

また泣きそうになる

猿門｢でもいつかお前が俺の事好きになってくれるように
　これでも頑張ってたんだ。｣

耐えろ

猿門｢お前を苦しめないように
　自分の気持ち殺して我慢しまくってたつもりなんだぜ。｣

耐えろ自分

猿門｢俺にはもう無理みたいだ。
　こんなんじゃ俺もAも幸せになんかなれない。｣

声が震えてきた

猿門｢今までたくさん苦しめて本当にごめんな。｣

やばい
無理かも

猿門｢もう俺なんか捨ててハジメの所へ行け。｣

これが不甲斐ない俺の恋の終わり
もう死んでしまいたい