【ナンバカ】短編恋愛集03 (ページ12)

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束縛彼氏02　-悟空猿門- ページ12

その時俺の感情が爆発したんだ

俺はAの手を取り強引に休憩室から連れ出し
人気のない通路まで連れていった
壁に押し付けて乱暴にキスをした

初めてAとするキスなのに表情も感触も何も覚えていない
夢中で俺の醜い感情をぶつけた

何度も唇を重ねるうちに冷静さを取り戻した
Aを解放してやる頃には罪悪感でいっぱいでまた胸が苦しくなって
Aの顔なんて見れなかった
いい歳した男が泣きそうになった

｢ごめん。｣と吐き捨てて背中を向けるとAに腕を掴まれた
振り返るとAは笑っていた

この人に俺なんか相応しくない
もういっそこっぴどく振られて終わりにしよう
そう思った

猿門｢A…俺と付き合え。｣

何様なんだろうな
偉そうに上から目線で
情けなくて目も合わせられなかった

でもAは俺の手を握った
困った顔で笑っていた

A｢そんな顔してる猿門を振れるわけないでしょ。｣

俺は告白したんじゃない
脅したんだ
Aは俺が好きで付き合うんじゃない
無様な俺に同情したんだ

負い目がある俺は彼女のAを大事にした
Aのことになると特別に感情的だからな
でももう八つ当たりみたいたことは絶対しないと決めた

まともに｢好きだ｣とか言ったこともないんだけどそれも仕方ない
Aを苦しめてしまうからあまり気持ちをぶつけすぎないようにな

他の男と話していたのも胸糞悪くてしょうがなかったが気持ちを押し殺した

俺達はそれなりに上手くやっていたと思う
長い片想いを経てようやくAを手に入れられて幸せでないはずはない
あいつも変わらずよく笑っていた

でも…