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「･･･よし、どうでしょう」
「おお、上達したやんか」
「やったあ。すみません、練習台にしてしまって」
「ええねん、Aは覚えんの早くて助かるし」
あんま気負うんやないで、と大耳先輩はコートの中に戻って行った。一見少し怖そうな見た目だけど、実際に話してみたらそうでもなかったことをよく覚えている。話し掛けるまでに勇気がいるけど、話してみるとするする話せてしまう。みたいな感じの人。
今度こそゼッケンを畳もうと、二回目の伸びをした。
***
もう6時か、なんて外を見たらまだ明るかった。どうやら本格的に夏の時間帯になってきたらしい。夏時間で部活動もいつもより少し長くなる高校のためか、野球部もまだ校庭にいた。
「あと30分かあ」
「おつかれさん」
「ヒッ！」
気の抜けている状態の時に突然声を掛けられるのは本当にびっくりする。ましてやそれが主将ともあれば尚更驚きは倍増するのである。
「･･･驚きすぎとちゃうか」
「ごめんなさい･･･気ィ抜けてて今･･･」
「今日ずっと走り回っとったもんな。あと少しやで、きばりや」
ドリンクもありがとおな、なんて言って北さんはまたコートの方に戻って行った。もしかして声を掛ける為だけに此方に来てくれたのだろうか。ちょっぴり、いやかなり嬉しい。
それにしても30分を少しと言えるのがすごいと思った。改めてコートの中を眺めてみるけれど、たしかに皆時間なんか気にしていられないというふうに誰もが思いきりプレーをしているように見える。
あそこまで必死なら、30分が少しに感じるのもわかる気がする。
「っし！！」
「なあこれ次の試合で使お！めっちゃええ感じやんか！」
双子は双子で毎回ミニゲームの度に新しいことにチャレンジしているようだ。よくもまあ次から次へと成功させるものだなとは思うけど、彼らの努力の結果なのだろうなっていうのが事の終着点である。
努力か、そうか。
「･･･頑張ろ」
Aちゃん体力無いもんなあ、なんてあの人に言われたら悔しいもの。
私は麦茶の残りをチェックすべく、また走り出した。
コートの外から見た侑くんは
・なんかすごい
・時々やらかす
・教室にいる時とはまるで別人
何だか、いつもの侑くんじゃないみたい。
がらにもなく格好良いなあなんて思ってしまうけど、また次の日の朝には「英文の和訳見して！」なんて言ってくるのだろうから、本人にはまだ言わなくても良いことかな。なんて。
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シノメ(プロフ) - るぴあさん» ようやくボールペンを持ちました〜！！感想ありがとうございます！！続々編も是非楽しんで頂ければなあ、と思っておりますので〜！！ (2019年10月12日 17時) (
レス) id: 56e895e066 (このIDを非表示/違反報告)
るぴあ(プロフ) - もう、むちゃくちゃおもろいです。ボールペンを持たれるのを待ってます！！！！ (2019年10月10日 17時) (レス) id: d73982be8d (このIDを非表示/違反報告)
シノメ(プロフ) - 來さん» 待っててくださってありがとうございます！なかなか甘々な展開に持って行けてないのですが、これからちょこちょこ増やしていけたら良いなと思っております！わあ嬉しい...！身体の心配までしてくださってありがとうございました！これからも頑張ります！ (2019年9月29日 17時) (レス) id: 56e895e066 (このIDを非表示/違反報告)
來(プロフ) - 待ってました！お疲れ様です！相変わらず青春してるなー、と微笑ましく見ております。更新も早くて侑くん達と同じように作者様を応援する毎日です。体調に気をつけて頑張ってください！素敵な作品をありがとうございます！ (2019年9月28日 19時) (レス) id: 5f382bf3f2 (このIDを非表示/違反報告)
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