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「すぐそこだからさ。ちゃっと食うだけ。」
『... 』
なぜだろう。促されるままついて来てしまった。
誰かとご飯を食べてるなんて。
「うまいだろ? ここのおばちゃんのはハズレな
いから。」
「ユンちゃんが女の子連れてくるなんてねー!
もっといい店連れてかないと!ねえ?」
『美味しいです。ほんとに、とっても。』
お母さんが作ってくれたようなご飯だった。
本当に美味しかった。
お腹に入ればそれでいいと思っていたから。
しっかりとひと口ひと口味わって。
こんな風に食べるのはいつ振りだろう。
「まあ、ありがとねぇ。
こんなとこでよかったらいつでもおいで。
腕振るっちゃうからねっ!」
おばさんはご機嫌に厨房に入っていった。
「金もコンビニの弁当とかわんねぇのにな。
やっぱ、あったかい飯って違うよな。」
それからユンさんはわたしが食べ終わるまで、おばさんと話したりテレビの野球中継を見ていた。
「釣りはいいから。
ごちそうさん。」
わたしが食べ終わると同時にさっとお会計をして
慌てて自分の分を払おうとしても遮られた。
店を出たあと困っているわたしに気がついたか、
" 常連になってやってよ。"
そう言って去っていった。
長い一日だった。
ベッドに寝そべって、一日を振り返っていた。
何も知らないこの土地に来てから二年。
時間を感じたり、振り返ったり。
" ユンちゃんが... "
出会って間もない人の名前を覚えたり。
少しはここに、馴染んできたとゆうことなんだろうか。
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sayu_(プロフ) - 22.2.22 次のページへの送りボタンの表示がおかしくなっていため修正させていただきました。 (2022年2月22日 18時) (レス) @page1 id: 70f7b238b7 (このIDを非表示/違反報告)
sayu_(プロフ) - 読んでくれた方。お気に入り、評価してくれた方。ありがとうございます! (2021年4月17日 5時) (レス) id: 70f7b238b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:sayu_ | 作成日時:2021年4月16日 21時