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" 過労だって。
一人で育てるなんて、無理したんやろうな。"
" 困ったなあ。うちも余裕なんてないのに。"
生まれた時からお父さんの存在がなかった。
お母さんも突然眠ったまま目を覚さなかった。
会ったこともなかった親戚がわたしの" 親 " になった。
知らない街、知らない人ばかり。
" おともだちだね。" " ぬな！ "
そんなわたしにできた二人の友達。
" リラちゃんはどんなお菓子が好きなの？"
そしてその二人のお母さんはとても優しかった。
引き取ってくれた親戚にはとても感謝していた。
ご飯も、眠る場所も、学校にも
何も困ることはなかったから。
二人のお母さんは、自分の子供と同じように
わたしに接してくれた。
" 女の子も欲しかったから、うれしくって。"
そうやってお母さんを思い出すような笑顔を向けてくれた。
大好きだった。
" あなたのせいよね？ "
なのに、あの日壊れてしまった。
あんなに仲の良かったテヒョンとジョングクが
あまり一緒にいなくなった。
おばさんはわたしのせいだと言った。
嫌われるのが怖くて、ごめんなさいと謝った。
その日以来、おばさんがあの笑顔を向けてくれることはなかった。
「リラ本当に大学には行かないの？」
いつからか心配そうにわたしを見つめるテヒョンの瞳を真っ直ぐ見られなくなった。
" 就職は、寮のあるところを探しなさい。"
高校に入った頃からそう言われていた。
高校卒業まで面倒を見て貰ったのだから、当たり前だと思った。
だけど、どうしてもこの街にいたかった。
寮のある就職先を探しても遠方にしかなくて、親戚は早く決めなさいと急かした。
" リラ。知り合いが紹介してくださった。"
おじさんから渡された書類。
地図を見るとここからはとても遠いところだった。
拒否できるはずがなかった。
そのうち、
お母さんが無理をして亡くなったのも、
テヒョンとジョングクに見えない溝ができたのも
それをおばさんが悲しんで体を悪くしたのも、
全部わたしがいたからなんだと思うようになった｡
そうだ。
全部、" わたしがいなければよかったんだ。"
わたしはあの街を去った。
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sayu_(プロフ) - 22.2.22 次のページへの送りボタンの表示がおかしくなっていため修正させていただきました。 (2022年2月22日 18時) (
レス) @page1 id: 70f7b238b7 (このIDを非表示/違反報告)
sayu_(プロフ) - 読んでくれた方。お気に入り、評価してくれた方。ありがとうございます！ (2021年4月17日 5時) (レス) id: 70f7b238b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sayu_ | 作成日時：2021年4月16日 21時
