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『笑ってる場合じゃないよ?
どうしてこんなになるまで無理したの?
バイトもって... お金が必要なの?』
ヌナに会えたのが嬉しくて、ついにやけてた。
怒らせちゃったな。
「あー、まあ、困ってるとかじゃないんだ。
ただ、あの人たちに頼りたくないから。」
『あの人たちって... おばさんとおじさんのこと?
... 大学出てからじゃ駄目なの?』
ヌナ。
この三年で、十分だ。
あんな思いをするのは。
「ヌナを傷つけた。
その瞬間から親だと思ってない。」
あの家で、ヌナがいない毎日を耐え続けた。
ヌナに会うために。
「ヌナに謝らないと...
あの人たちがした事、俺は許さない。
本当にごめんなさい。
だけど... 俺のことは別で考えて欲しい。
俺は、絶対にヌナを傷つけない。」
ヌナさえいればいい。
『ジョングク、わたしのせ...
「ねえ、ヌナ。」
ヌナ、何を言うかわかるよ。
そんな事は言わせない。
ヌナ自身にだって、ヌナを責める事は許さない。
「俺ね、ずっとずっと、ヌナを追いかけたよ?
たった2歳が馬鹿みたいに遠かった。
その差さえなければ、ヌナを守れたし...
離れなくて済んだのに、って。
ヌナがいなくなって、体の一部を失くしたみた
いに苦しかった。
ヌナは? ヌナもそうじゃなかった?」
もうわかってよ。
「ねえ?俺たち、どうして誰かの為に苦しまな
きゃならないの?
俺たちはなんで一緒にいちゃ駄目なの?
俺たちは誰も傷つけたりしてない。
だから、俺はヌナを見つけ出すって決めた。
他に何もいらない。ヌナがいてくれれば。」
ヌナが消えたあの日から、いや...
出会った時から、そうだったんだ。
『わたしも... くるしかっ た。
でも、おばさんが... わたしのせいだって...
家族を壊す、って...
違う、の? わたしは誰も傷つけてないの?』
ヌナはいつだって自分のことは後回しだった。
犠牲になることを当たり前みたいに受け入れて。
でもね、違うんだよ。
「うんっ... そうだよ。
そんなのっ、嘘だよ。ヌナはずっと優しくて、
人を傷つけたりなんてできない人だよ。
もういいよ。
あの人の言葉から自由になって。 」
ヌナこそ、笑っているべきなんだ。
俺が、守るから。
ヌナを苦しめるすべてのことから。
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sayu_(プロフ) - 22.2.22 次のページへの送りボタンの表示がおかしくなっていため修正させていただきました。 (2022年2月22日 18時) (レス) @page1 id: 70f7b238b7 (このIDを非表示/違反報告)
sayu_(プロフ) - 読んでくれた方。お気に入り、評価してくれた方。ありがとうございます! (2021年4月17日 5時) (レス) id: 70f7b238b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:sayu_ | 作成日時:2021年4月16日 21時