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．
「 ... 」
目を開けると、
父さん、母さん、ヒョンがいた。
「ジョングク、お誕生日おめでとう！！」
ろうそくの火が揺れる、大きなケーキを持って。
「「はやくっ！ お願いごとして消すのよ！
欲しいものとかでもいいんだぞ。」」
三人で代わる代わるにそう言うんだ。
願いなんて... 欲しいものなんて...
「... ナに、 ヌナに会いたい。」
涙が出て止まらなかった。
そうだ... ヌナは、いなくなった。
願いも、欲しいものも、全部、" ヌナ " だった。
今年は貰えなかったバースデーカード。
お金がなくてごめんなんて、恥ずかしそうに
手作りのお菓子やアルバムを作ってくれた。
誰よりも、心のこもったプレゼント。
全部が俺の大切な宝物になった。
目の前で平然と明るく笑うこの人が、
その人の隣で笑ってる二人が、
色とりどりに飾られたリビングが、
テーブルに並んだご馳走とこのケーキが、
俺の心臓を締め付けた。
「なんで... 笑ってられるの？」
ただ、ヌナに申し訳なくて。
「ヌナが居なくなったのは、
母さんのせいでしょ？」
我慢なんてできなかったんだ。
目の前で落ちていくケーキ。
二人に支えられる母さん。
まるで、スローモーションがかかったように。
その光景を、ぼーっと見ていた俺。
その時頭の中にあったのは、
" ああ、ヌナはきっとこんなこと微塵も望んでないだろう。"
やっぱり、ヌナの事だった。
過呼吸を起こした母さんを父さんが落ち着かせて、二人は病院に行った。
ヒョンは、怒りも、責めもせず、ケーキの残骸を掃除してた｡
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sayu_(プロフ) - 22.2.22 次のページへの送りボタンの表示がおかしくなっていため修正させていただきました。 (2022年2月22日 18時) (
レス) @page1 id: 70f7b238b7 (このIDを非表示/違反報告)
sayu_(プロフ) - 読んでくれた方。お気に入り、評価してくれた方。ありがとうございます！ (2021年4月17日 5時) (レス) id: 70f7b238b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sayu_ | 作成日時：2021年4月16日 21時
