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やっと、やっと会えたのに...
ヌナは少しも喜んではくれなかった。
あの優しい笑顔を見せてくれなかったし、
それどころか、寧ろ怯えているみたいだった。
もう会いに来るな、なんて...
ヌナにとって、母さんだけじゃなく俺達家族自体が疎ましい存在に変わってしまったんだろうか。
あのヌナがそんなこと思うはずがないって虫のいいことを考えていた。
ヌナは優しいから、母さんのためにあの街から去ったんだろうし、それでもきっと母さんのことを少しも悪くは思っていないんだろう... なんて。
挙句に、もう大丈夫だと言ったヌナが信じられなくて俺はヌナを責めた...
思えばいつだって、俺は傲慢だったのかもしれない。
ヌナとヒョンが俺を置いて行くのが心底悲しかった。
もちろん二人はわざとそんなことをしていたわけではないし、物理的に小供の頃の二歳差はでかかったってだけで。
歩く歩幅も、体力も、学校に上がるのも、
何一つ並べなかった。
どうにもならないそれが子どもの俺には、
悲劇のようだった。
だから俺は、ヌナに関しては本当に余裕が無くて
よくヌナを困らせた。
思いどうりにならないとよく泣き喚いたし、あれしてこれしてと、無理も言った。
何をしても優しく笑いかけてくれるヌナに、自分はヌナの大事なものなんだと、調子に乗っていたんだ。
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sayu_(プロフ) - 22.2.22 次のページへの送りボタンの表示がおかしくなっていため修正させていただきました。 (2022年2月22日 18時) (レス) @page1 id: 70f7b238b7 (このIDを非表示/違反報告)
sayu_(プロフ) - 読んでくれた方。お気に入り、評価してくれた方。ありがとうございます! (2021年4月17日 5時) (レス) id: 70f7b238b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:sayu_ | 作成日時:2021年4月16日 21時