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「おかえり!」
『た、ただいま?』
インターホンを鳴らすと数秒でユンギさんがドアを開けてくれた。
" 感謝してるんだろ? "
そう言われるともう断ることができなくて、ユンギさんのお家へ来てしまった。
「何作ってくれんの? 」
『鯖が安かったので。ほぐしたらその子も食べら
れるかなって。』
キッチンで支度していると、カウンター越しに仔猫を抱いたユンギさんが立っていて、
「うん。やっぱいいな。」
はにかんだようにそんなことを言うから、
あー、この人は本当にわたしのことを迷惑だとか面倒だとかそういうふうに思ったりしないんだなと、安心してしまった。
『 あっ、ちょっといいですか?』
ユンギさんの胸に抱かれた仔猫に目がいくと思い出した。
『捨てられたのか迷子だったのかはわかりません
が... 何かあったとき裏... いえ。
飼い主がいると思って貰えるかなって。
嫌がったら外してあげてくださいね。』
少し前、仔猫に良さそうなフードを見にペットショップへ入ったとき、それが目に入った。
首輪とゆうよりは、優しい資材でできたリボンのような。
「
その色が鮮やかな紫色だったから。
" ねえ、リラ。虹の最後の色って知ってる?"
" 紫なんだ!紫にはね信じ合って、
末永く愛し合おうって意味があるんだよ!!
今僕が作った!"
小学生の時、誕生日にテヒョンがくれた紫色の
手袋。
横からジョングクに " ヌナには赤とかピンクでしょ! " なんて言われて、そう言い返してたな。
そんなことを思い返しながら、手に取っていた。バカだな... 。
『
名前、 ボラってどうでしょうか?』
「あー。似合うし響きもいいし、いいんじゃん。
よし、お前は今日から、ボラだ。」
目を細くして、仔猫の頭を撫でたユンギさん。
思い出が悲しくないのは、
きっと、この人がそばにいてくれるから。
なんだろう。
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sayu_(プロフ) - 22.2.22 次のページへの送りボタンの表示がおかしくなっていため修正させていただきました。 (2022年2月22日 18時) (レス) @page1 id: 70f7b238b7 (このIDを非表示/違反報告)
sayu_(プロフ) - 読んでくれた方。お気に入り、評価してくれた方。ありがとうございます! (2021年4月17日 5時) (レス) id: 70f7b238b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:sayu_ | 作成日時:2021年4月16日 21時