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突然やって来たリラ。
" ボラに会いたかったんだよな。"
そうやって変な期待はしないように自分に言い聞かせた。
それでもやっぱり柄にもなく、リラがこの部屋にいる事に浮かれてた。
『そろそろ帰ります。』
そんな時間はもう終わりだと、無情にリラが告げる。
鞄を取って玄関へ向かうリラを、引き留めたいと思っても妙案が浮かぶわけでなし。
『ユンギさん... 』
ただ後ろ姿を見つめてた俺に、急に振り返って名前を呼んで。
それから黙ってしまったリラに、どうも悪い予感しかしなくて。
「なんだよ、言いにくいことか？」
『いえっ... また... 来てもいいですか？』
拍子抜けした。ビビらせんなよって。
ほっとしたような、そもそもお前が勝手に来なくなっただけだろうって、なんか複雑な気持ちになった俺は余程不味い顔してたのか、
慌てて謝りだすリラを誤解させないように。
「いちいち許可なんて取んな。
いつでもボラは、俺も… お前を待ってる。」
またボラをいいように使っちまった... なんて
反省してたら、
「おいっ、おまっ... 」
『少しだけ、こうしててください... 』
俺の胸に飛び込んできたリラ。
なんで こんなこと...
俺に、何も話さないくせに。
頼ってもくれず、勝手に離れてって
どうして俺の感情をいちいち揺らすんだよ？
バカな俺は未練たらしく、いつまでもお前への想いを断ち切れずにいる。
『疲れちゃいました。』
そんな笑い方。
その細い身ひとつで今にも壊れそうに。
「ひとりで抱えんな。」
そんなお前を放っておけないし、放っておくつもりもない。
「リラ。善意とか同情とかで助けたいとか
そんなんじゃない。
ただ、お前が辛そうにしてんのが嫌なんだ。
お前に... 惚れてるから。」
認めてほしい。
お前がなんでここに来たのかを。
俺たちは
お互いを必要としていると。
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作者名：sayu_ | 作成日時：2021年10月12日 3時
