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．
『テヒョン... ...
なんだかすごく、大人になったね。
ジョングクに会えたときも、大っきくなりすぎ
てほんとびっくりしたんだよ？』
「... リラも、お姉さんに、なった。」
ドア一枚隔てたところにリラがいるってゆうのに情けなくもまた怖気付いて、ジョングクに背中を押された。
リラが目の前にいて僕に話しかけている。
それがいつまでも現実には思えなくて。
話したいことで溢れて、選ぶことができない僕をリラは見透かしたように、
ゆっくりと話してくれた。
なぜ僕たちの前からいなくなったのか。
新しい街でどんな風に過ごしてきたのか。
『ねえテヒョン。
あの頃のわたしたちはまだ子供だったんだよ。
でも、また会えたね。』
高校を卒業したばかり僕たち。
自分で思うよりも大人になんてなってなかった。
誰も傷つくことなく、幸せに生きてゆける道を見つけることは難しいことだった。
僕たち家族の為にリラは去り、
そんなリラをジョングクは
そして二人は母さんのため、そして僕のために
帰って来てくれた。
『テヒョン。
ここで待っててくれて、ありがとね。』
「っ... ううっ... 」
泣き崩れた僕をリラは優しく抱きしめてくれる｡
背中をさすりながら、
『ちゃんとわかってるよ。テヒョンは、
おばさんのそばで、ジョングクとわたしがいつ
でも帰ってこられるようにここで待っててくれ
たんだよね。
テヒョン。 またみんなで笑えるよ。』
そう言った。
どのくらいこうしていたのか...
背中にまわされた手が離れるのは惜しかったけれど、
「 ... 」
後ろで待っているから。
「ジョングク、おいで。」
『おいで。』
「ヌナー、ヒョーン... 」
今だってまだ、大人になんてなれていないけど、
僕たちなら " 大丈夫 " だと思った。
そう言い聞かせたのでも、願うようにでもなく。
この子はいつだって、
僕とジョングクを大切にしてくれた。
僕らはずっと、
そんなこの子が愛しい。
それは変わらない " 絶対 " なんだって。
．
続く (更新停止中)
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作者名：sayu_ | 作成日時：2021年10月12日 3時
