検索窓
今日:2 hit、昨日:6 hit、合計:6,970 hit

:54 _TH ページ14




「お母さんもう休むわ。
テヒョンも今日は早く帰りなさい。」



無機質な病室。

青白い顔で笑う、母さん。



先生は、手術が必要だと言った。


入院して安静にしていれば体力も回復して、そうすれば手術もそう難しいものではないと聞いていた。


なのに、日に日に窶れていく。


そんな母さんを見ながら、父さんも僕ももう限界に近付いていたんだろう。



「ジョングク... どうして帰って来ないんだ... 」


母さんの前では気丈に振る舞っていた父さんが
ぽつりと溢した。


ジョングクに一方的に電話を切られたあの日から、もう掛けることもできなくなってしまった。


着信拒否されているんじゃないか...

何か決定的な言葉を言われるんじゃないかって。



もうリラを見つけたのかもしれない。

今頃、一緒に居るのかも。


もしそうなら...

ジョングクはもう覚悟を決めたのかもしれない。


最悪のことばかりが頭に浮かんで、
結局僕は何もできないでいた。


そうやって、無情に時だけが過ぎて行った。










「も しもし?」


ぼーっとした頭で、誰かも確かめずに電話に出た。

時計を見ると、夜中の2時を回ったところで...

相手は何も話さない、間違え電話かなと画面を確認しようとすると、




≪...ヒョン、俺だけど。...あの、人は?≫


聞こえてきた声に、一気に目が覚めた。






:55 _TH→←:53



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.4/10 (23 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
75人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

この作品にコメントを書くにはログインが必要です   ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:sayu_ | 作成日時:2021年10月12日 3時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。