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目が覚めて、時計を見ればもう11時。
先輩との約束の日。
何に期待しているのか、なかなか寝付けずに、
最後に時計を見たときはもう4時を過ぎていた。
シャワーで目を覚まし、用意をすると家を出た｡
週末の街は人で溢れかえっていた｡
連絡先はあえて聞かなかった｡
やっぱり行けない、って断られるんじゃないか
って思ったから。
" 1時に、中央駅の広場に来てください。"
先輩の性格なら、僕が待っていると分かってい
れば何があっても必ず来てくれるだろうと。
だけど、思ったよりも賑わうこの人混みの中
で、先輩と会うことができるのかと焦り出す。
そんな不安を他所に、僕の目はすぐに先輩の姿
を捉えた。
先輩の前に立てば、
『あっ、ジョングクくん。こんにちは！』
一瞬、時間が止まったかのような、不思議な感
覚に捉われた。
「... 行きましょうか。」
少しの沈黙の後、二人で歩き出す。
目当ての店に入ると、最初こそ僕の後ろを着い
てきていた先輩だったが、僕のお気に入りのメ
ーカーや機能を簡単に説明すると、すぐにあれ
やこれやと一人で見て回り出した。
「ふはっ。」
目を輝かせて、ちょこちょこと物色している先
輩を見ていたら、だんだんと小動物に見えてき
て、思わず笑ってしまう。
「先輩も興味が出てきましたか？」
夢中になってる先輩に悪戯心が芽生え、そっと
後ろに立ち耳もとでそう言うと、
『！！ ジョングクくんにいいもの見つけて
ほしくて｡
素敵な写真だったから...
もっとたくさん撮って欲しいなって。』
耳を赤くして、少し目を伏せながらそう言った｡
やっぱり、この人は僕の心臓も思考も簡単に
操ってしまう｡
「... これに します。」
元々、目星は付いていたし正直言うと、もうカ
メラなんてどうでも良くなってしまった。
「じゃあ、半分出して貰えれば大丈夫です。
その代わり少し付き合ってください。」
中古だし、自分で払えるのに、払いますとなか
なか折れない先輩をなんとか言いくるめて会計
を済まし、店を出てバスに乗った。
10分くらい揺られていると、大きな川が見えて
きた。
『わぁ。』
元々大きな目を更に見開いた先輩。
「僕の、好きな場所です。」
ここに、どうしても来たかった。
あなたと。
．
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sayu_(プロフ) - hirotdmさん» hirotdmさん、素敵なコメントありがとうございます！作者、とても嬉しいです！微力ながら少しでもいいお話になるよう頑張りますね。 (2020年9月22日 19時) (
レス) id: 70f7b238b7 (このIDを非表示/違反報告)
sayu_(プロフ) - ありがとうございました。 (2020年5月31日 21時) (レス) id: 70f7b238b7 (このIDを非表示/違反報告)
sayu_(プロフ) - お気に入りに登録、ありがとうございます！ (2020年5月10日 1時) (レス) id: 70f7b238b7 (このIDを非表示/違反報告)
sayu_(プロフ) - たくさんの方に読んで頂けてほんとに嬉しいです！これからも頑張ります！！ (2020年4月2日 20時) (レス) id: 70f7b238b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sayu_ | 作成日時：2020年1月30日 16時
