25 : you ページ25
- your side -
電車を降りて、一目散に走った。
家に着くなり、部屋に飛び込んで
明かりは付けず窓の前に立った。
カーテンを握りしめ、目を閉じて､
ふっ と息を吐く。
そっと開いたカーテン。
そこから見えたのは、
窓際の壁にもたれた、
ジミンの姿だった。
涙がとめどなく溢れた。
息も、
胸も、
苦しかった。
小さな頃は体が弱くて、
いつも私の服を掴んでついてきてたじゃない。
いつの間にか背を追い越して、
力も敵わなくなって...
怖いことがあれば、
いちばんに飛んできて。
自分もそうだと思ってたの。
力が無くたって、
ジミンを守るのは私。
誰よりも理解して、
ジミンを笑顔にできるのも私。
世界でいちばんのジミンの見方。
だから、正しく、強くあろうとした。
そうあれたのは、
全部、全部、
ジミンがいてくれたからなのにね。
ジミン 。
どれだけのことを犠牲にしてきた？
私なんかの為に、
どれだけ苦しかった？
崩れるようにその場に座り込んだとき、
コートのポケットから振動が伝わる。
「リラ？ 見つかっちゃったね。
ストーカーみたい、 だよね。
気味が悪い？ ははっ... 」
電話から聞こえるジミンの声は震えていた。
ごまかすように笑ったんだろうけど、
その声がすごく切なくて、
『... っ 』
" そんなこと思うはずない "
" 何か言わなきゃ "
そう思ってるのに、声にならない。
「リラの声が聞きたくて、
リラに触れたくて、どうにかなりそうだよ...｣
震える声で、 小さな声で、
呟くようにそう言ったジミン。
『ジミナ... 行くから。
すぐに。 わたし 行くからっ！』
行かなくちゃ。
早く... 早く行って、
震えてるジミンを
抱きしめなくちゃ。
．
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sayu_(プロフ) - hirotdmさん» hirotdmさん、素敵なコメントありがとうございます！作者、とても嬉しいです！微力ながら少しでもいいお話になるよう頑張りますね。 (2020年9月22日 19時) (
レス) id: 70f7b238b7 (このIDを非表示/違反報告)
sayu_(プロフ) - ありがとうございました。 (2020年5月31日 21時) (レス) id: 70f7b238b7 (このIDを非表示/違反報告)
sayu_(プロフ) - お気に入りに登録、ありがとうございます！ (2020年5月10日 1時) (レス) id: 70f7b238b7 (このIDを非表示/違反報告)
sayu_(プロフ) - たくさんの方に読んで頂けてほんとに嬉しいです！これからも頑張ります！！ (2020年4月2日 20時) (レス) id: 70f7b238b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sayu_ | 作成日時：2020年1月30日 16時
