19 : you ページ19
- your side -
「少し、考えてみて。」＿
それからの帰り道は言葉を交わすことなく、
お互い " じゃあね " とだけ告げて、
家に入った。
ジミンの言葉に頭も心もついていかない。
ジミンが私を...？
私はこんなにそばにいたのに、ジミンのこと
何もわかってなかった。
男性が怖いからと、ジミンを異性と見ることを
嫌い、目を背けてきたんだ。
そんな私にいつも笑顔を向け、守ってくれた。
ジミンはどんな思いでいただろう。
自分がどうしようもなく情けなくて、
深くため息をついた。
＿
あれからジミンと私に距離ができた。
同じ講義に出ても離れたところに座るジミン。
どこかで当たり前だと思っていたんだ。
ジミンがとなりにいること。
「リラひっとり占めー！」
隙間を埋めるように、テヒョンはジミンではなくわたしのそばにいてくれた。
そんな日々が続いた。
「リラデートしよ。タナの服見て欲しいんだ｡｣
" デート " って言葉が引っかかるものの、テヒ
ョンが溺愛するかわいい愛犬の服を選びたいっ
て気持ちが上回って、出かけることにした。
街はクリスマス色に染まって、いつもなら心躍
るこの季節に、ジミンと出会ってから初めて一
緒に過ごすことができないんだなーと、悲しい
気持ちになった。
そんなわたしの気持ちを他所に、
「トナカイ？ あっライオンだとっ⁈」
これがいい、あれがいいって手当たり次第見
て、口を四角くしていつも以上に子供みたいに
はしゃぐテヒョン。
『ふっ。もう、テヒョンは... 』
おもわず笑ってしまった。
「うん。リラはやっぱり笑顔がいいね。」
テヒョンが打って変わって大人びた表情でそう
言って、ドキっとした。
わたしを励まそうと連れて来てくれたんだ。
テヒョンは空気が読めないとか、周りによく誤
解される。
だけど、本当はすごく周りを見ているし、こう
やってちゃんと気に掛けてくれるんだ。
『ありがとね、テヒョン。
心配させてごめん...
ジミンとのことでいっぱいいっぱいで... 』
そう言うと、テヒョンは眉間にシワを寄せた。
「リラの世界はジミン中心に回ってるの？」
「今そばにいるのは俺だよ。」
テヒョンの言葉の意味が
理解できなかった。
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 101人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
sayu_(プロフ) - hirotdmさん» hirotdmさん、素敵なコメントありがとうございます！作者、とても嬉しいです！微力ながら少しでもいいお話になるよう頑張りますね。 (2020年9月22日 19時) (
レス) id: 70f7b238b7 (このIDを非表示/違反報告)
sayu_(プロフ) - ありがとうございました。 (2020年5月31日 21時) (レス) id: 70f7b238b7 (このIDを非表示/違反報告)
sayu_(プロフ) - お気に入りに登録、ありがとうございます！ (2020年5月10日 1時) (レス) id: 70f7b238b7 (このIDを非表示/違反報告)
sayu_(プロフ) - たくさんの方に読んで頂けてほんとに嬉しいです！これからも頑張ります！！ (2020年4月2日 20時) (レス) id: 70f7b238b7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：sayu_ | 作成日時：2020年1月30日 16時
