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-other side-
ひどく疲れ、電車の揺れに身を任せていた。
グラッと視界が歪んだかと思えば、どうしよう
もない吐き気に襲われた。
電車が停車した瞬間、急いで降りてトイレへ駆
け込もうとしたが、あまりの気分の悪さに、そ
の場にしゃがみこんだ。
" こんなところで吐いたら...
いい笑い者だ。"
「何あれ…酔っぱらい？」
「 最悪じゃん、気持ち悪。」
電車から降りてきた人たちの冷ややかな声、
地面を見ていても感じる冷たい視線。
みんな自分を避けて通り過ぎて行くのがわかっ
た。
自分が酷く汚れたもののようで、
襲ってくるひどい吐き気に、どうしようもなく
惨めだった｡
そんな時、視界の隅に入った赤い靴。
ゆっくりとこっちへ向かって来る。
その足が目の前で止まると、頭からふわっと
優しい声が降った｡
『これ、良ければどうぞ。』
ゆっくりと顔を上げれば、心配を浮かべた表情｡
でも、真っすぐで大きな黒い瞳に、
吸い込まれそうになった。
その人は何か考えるようにふと目線を落とし、
何も言わず 小さく会釈すると行ってしまった。
＿
駅員が来てホームのベンチへ座らせてくれた。
もらった水を飲み、少し休めばなんとか歩けそ
うになって、トイレに行き顔を洗った。
ハンカチはなぜか使わなかった。
自分のシャツで顔を拭った。
鏡に映った自分の瞳をさっきの人と重ねて、
思った。
また会えるだろうか...
なにかに期待するのは、
いつぶりだろう。
.
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sayu_(プロフ) - hirotdmさん» hirotdmさん、素敵なコメントありがとうございます！作者、とても嬉しいです！微力ながら少しでもいいお話になるよう頑張りますね。 (2020年9月22日 19時) (
レス) id: 70f7b238b7 (このIDを非表示/違反報告)
sayu_(プロフ) - ありがとうございました。 (2020年5月31日 21時) (レス) id: 70f7b238b7 (このIDを非表示/違反報告)
sayu_(プロフ) - お気に入りに登録、ありがとうございます！ (2020年5月10日 1時) (レス) id: 70f7b238b7 (このIDを非表示/違反報告)
sayu_(プロフ) - たくさんの方に読んで頂けてほんとに嬉しいです！これからも頑張ります！！ (2020年4月2日 20時) (レス) id: 70f7b238b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sayu_ | 作成日時：2020年1月30日 16時
