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流星くんが私の隣を歩いている。
一人分の隙間が空いてようが関係なしにソワソワしてしまって、思わず歩幅が狭まってしまう。
「俺歩くの早い？」
「…え」
数歩先を歩いていた流星くんが振り返る。
「ご、ごめん。そういう訳じゃないんよ」
「ん、そう？」
未だ心配そうな顔をした流星くんがこちらへ歩み寄るので、思わず数歩後退る。それでも迫ってくる流星くんは、私の手を取った。
「これなら大丈夫？」
「……へ、」
「…？」
流星くんの大きい手の中に、私の手がすっぽりとはまっていた。こちらへ優しく微笑む彼が、かっこよくて、素敵すぎて、なんかもう、それどころではなくて。
( どうして流星くんは平気そう、というかむしろ不思議そうな顔してるの！ )
「……あ。まだダメやった？」
「だ、ダメ。ダメ……！」
未だ不服そうな流星くんは手を離し、歩き出したのでついて行く。よかった、と安堵の息を深くついた。
それから、ポメルンの話で盛り上がり、気づいたら私の家がある住宅街へ入っていた。
「そういえばさ、Aさんは体育祭の競技何やりたい？」
「え」
「なんかAさんの希望だけ書かれてなかったから」
体育祭の競技の希望のアンケートは、確か席順で紙を回していたはずだけど……。そういえば、回ってこないと思った。意図的に回さなかったのだろうか。
「余ったのでいいよ」
「ほんまに？やりたいやつとかない？」
「うん。得意なスポーツもないから…」
数秒私の顔をじっと見つめた流星くんは、渋々と言った感じで「分かった」と前を向いた。
やがて、私の家に到着する。年季の入った平屋だから見せるのはあまり気乗りしなかったんだけど……。
でもこれだけのことで流星くんは人の印象を決めないと信じている。
「今日はありがとう」
「こちらこそありがとな」
控えめに手を振る私に、柔らかい笑顔で手を振り返してくれる。そして一歩踏み出すと思ったら、またこちらを見て、あろうことか右手で私の頬を包んだ。
「やっぱかわいい」
ふっと微笑んで、今度こそと流星くんは手を振って行ってしまった。
( ……可愛いって。)
ポメルンの帽子じゃなくて私のことだったのか。
いやいや、と有り得ない思考を振り払うように手早く玄関へ入った。
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ぴの山(プロフ) - み(名前)さん» こんにちは、それなら何よりです。。！読んでくださりありがとうございます！ (2022年8月14日 14時) (
レス) id: df2014b5f8 (このIDを非表示/違反報告)
み(名前)(プロフ) - 青色ジャス民です。めっちゃキュンしました (2022年8月14日 1時) (レス) @page28 id: 5d7aa8d35f (このIDを非表示/違反報告)
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