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その言い草はまるで、私に会うためだけに来たって言うようなもので。そんなに私に会う理由もないだろとも思う。
「あ…えっと、あり、がとう…?」
「いやそんな、お礼言われることちゃうし」
「そう、よな…」
どこまでも真剣な顔をする流星くん。冗談で言ってるようにも見えないけれど……。もしかして、流星くんは少し抜けてる人だったり。
ふと周りが騒がしくなり、チケットを持った人達が入場待ちで並び始めた。指定席だから問題ないが、早めに入っておきたい。並ぼうと足を踏み出して、思いとどまる。
( あれ、一緒に見る人おらんやん。)
まるさんは風邪で行けないって言うし、基本的に入場は二人一組なので一人だと確実に止められる。
「流星くんポメルン好きよな」
「え、うん。好きやけど」
「ポメルンのショー、見たいよな」
「そりゃ、見れるもんなら見たい──」
それなら話は早い。学校から少し離れた街だし、クラスメイトなんていないはず。私は流星くんと共に最後列へ歩き出した。
「ポメルンショー、一緒見よ」
私の言葉を聞いた途端、流星くんの顔が晴れやかになる。
「え、い、いいん…?」
「元々会う予定の人が風邪で行けんくなって」
ポメルンの十五周年イベントはここの会場のものしか取れていないから、見逃すわけにはいかない。それに流星くんもポメルンが好きなら、お互い好都合だろう。
もとより、ポメルンが好きという気持ちは同じなわけだし。
「流星くんはポメルンのショー初めて?」
「うん」
「そっか!ポメルン可愛いから一瞬でも見逃したらあかんで」
ポメルンの動き一つ一つが可愛くて、もうこの一瞬を誰か写真に撮って私に送ってと思うくらい。
「ポメルンの物販とかもあったよな」
「うんうん、あるで」
「後で行きたい」
「うん!」
私もクリアファイルとボールペンを予備用に持っておきたかったし、丁度よかった。
「Aさんかわいいなと思って」
「…え」
こんな私が可愛い?
「そのポメルンの帽子。俺も欲しいなぁ」
「え、あぁ、そうやろ?コレめっちゃ可愛いもんな」
びっくりした。私が可愛いわけないもから。
私はただ可愛いものを好きでいるだけでいい。自らがそれになる必要なんてない。私が可愛いなんてあるはずない。
『かわいいものめっちゃ好き』
『やから、Aさんのこと好き』
あるはず、ないのだ。
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ぴの山(プロフ) - み(名前)さん» こんにちは、それなら何よりです。。!読んでくださりありがとうございます! (2022年8月14日 14時) (レス) id: df2014b5f8 (このIDを非表示/違反報告)
み(名前)(プロフ) - 青色ジャス民です。めっちゃキュンしました (2022年8月14日 1時) (レス) @page28 id: 5d7aa8d35f (このIDを非表示/違反報告)
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