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なんだか神山くんに首を支配されている気がして、思わずぎゅっと目をつぶる。神山くんの吐息が首元にかかったかと思えば、首にそっと噛み付かれた。
「ヒッ……！」
知らない感覚が背筋を駆け抜けて、ちぅって聞いたことのない水音が聞こえて、必死に逃げ場を探す。羞恥心で死んでしまいそうだ。
「あのっ…かみやま、くん」
「…ん？」
「も、やめて…」
私が懇願しても、神山くんに添えられた首は解放されず、なんとか抜け出そうと足を踏み出してみる。
「逃げたらあかんで」
神山くんがそう囁くと、後ろから力強く抱きしめられて、執拗に首筋を吸われた。逃がす気なんてさらさらないんだとすぐに分かった。
「ぁ、あの…っ」
「やっぱAかわいいな」
壁に手をつかれ、体が密着する。ようやく唇が離れたと思っても、抱く腕はそのまま。
「は、離して…」
「毎日ネックレス付けてくれるならええよ」
その言葉を咀嚼して、よく理解しないまま頷いた。すると、神山くんがゆっくりと離れて「ありがと」なんて微笑む。
「み、見えないとこ……？」
「髪下ろしてたら大丈夫やと思う」
急いで結んでいた髪ゴムを下ろすと、「そんな慌てんくても」なんて神山くんがまた笑う。いやだって、隠さないと周りの人に何か勘違いされるし、これが学校まで続いたらと思うと……。
「動揺させてもた？」
「そりゃ…うん」
「そっかぁ」
ごめんなって呟いて優しく頭を撫でる神山くん。神山くんは人見知りで内気だと思ってたのに、なんだか強気で積極的な人というイメージになっていた。でも最近はなぜか弱気だから、結局本当の神山くんはどれなんだと迷う。
「神山くん、ひとつ、聞いてもいいかな」
「なに？」
「私は相手のこと知りたいから、秘密も知りたいなんて思うの浅ましいのかな」
唐突な質問に驚きつつも、考える仕草をする神山くん。
「その人の秘密がどんなものやったとしても、しっかり向き合って受け止められるならいいんやないかな」
そうか、淳太くんや神山くんがどんなものを抱えていたとしても、私は受け止めたいって思う。二人とも、私を受け入れて、居場所をくれた人だから。
「神山くんのこと、教えてもらってもええかな…？」
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