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花火に照らされた智洋くんが、私を優しげな目で見つめていた。
閃光に照らされる智洋くんは、掴んでいた私の裾をゆっくりと離し、笑った。儚げで今にも消えてしまいそうな彼に、なんだか目を奪われてしまって。しばらくは彼をじっと見つめてしまっていた。
「花火綺麗やったなぁ」
一大イベントが幕を閉じ、帰路に着く人たちを大方見送った後に、もう少し屋台を回ろうという話になった。
「猫ちゃんの花火かわいかった…!」
「あれ結構形綺麗やったな」
「そうそう、あれは完璧に猫ちゃんやった…!!」
興奮気味に話す智洋くんが可愛らしくて、先程の綺麗な彼とは大違いだった。
「あ。金魚すくいあるやん」
「そいえばまだやってないな」
青いカゴの中を、金魚たちが元気よく泳いでいる。智洋くんと大毅くんがしゃがむ中、私は腰を下ろせないでいた。
「どうしたん?Aは金魚すくいやらない?」
「ん、なんていうか…私が育てるよりも、ここで泳いでた方が幸せなんかなって思ってしまうねん」
小学校低学年のとき、金魚すくいで貰った金魚を一週間で死なせてしまったことがあった。あの時は一生懸命世話したつもりだし、ずっと一緒にいるつもりだったから、あまりにも早い別れに衝撃が大きすぎた。
それからは、毎年、金魚すくいの屋台を見る度に、私が貰わない方が幸せになれるんだなってずっと言い聞かせていて。きっと今年も同じ。
「でも俺らがいるし」
「そそ、三人で頑張って世話すれば金魚も幸せになるるんちゃうかな」
見てるだけでいいからさ、Aもしゃがんでって智洋くんに促されるから、少し離れたところで座ってみることにする。
大毅くんが一匹、智洋くんが二匹捕まえて、金魚は三匹貰うことが出来た。
「一人で一匹世話するのと、三人で三匹世話するんじゃ、結局変わらないんやない?」
「……気づいた?」
しし、って笑う大毅くんが走り出すから、私も必死に追いかけた。金魚を持っている智洋くんがゆっくりと歩いてくる。
「でも、俺らが金魚すくいしてるの見て楽しそうにしてたの見てたで」
だから大丈夫!なんて根拠のない言葉に、ひどく安心してしまった。
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ぴの山(プロフ) - ひなさん» ありがとうございます。期待に応えられるように頑張ります…!! (2021年7月3日 15時) (レス) id: 8ff15dce38 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - はい!最高です。更新待ってます。頑張ってくださいね (2021年7月2日 21時) (レス) id: eedadeaf95 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの山(プロフ) - ひなさん» 本当にこういう生活ができたら幸せすぎますよね(;;)!! (2021年7月1日 23時) (レス) id: 8ff15dce38 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - こんな生活、幸せすぎる、、、。 (2021年6月27日 21時) (レス) id: eedadeaf95 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの山(プロフ) - ナナさん» ありがとうございますー!そのことについてはもう少し先のお話で分かるので待っていただけるとと嬉しいです…!モヤモヤさせてしまってすみません…(;;)! (2021年5月21日 6時) (レス) id: 8ff15dce38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴの山 | 作成日時:2021年5月5日 17時