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向かったのは、私が調べた公園施設である。

季節に応じた花畑が咲き誇り、メリーゴーランドなどの遊戯施設や、洋風の建物と桃色の花たちが私たちを盛大に出迎えた。受け取ったパンフレットから、まずどこ行こうかと相談してみる。


「Aちゃん、行きたいとこある?」
「…あります」
「なら全部行こ。Aちゃんの行きたいとこ網羅しよ」


私の顔を覗き込んで、目が合うとニカッて笑う。まるで太陽のような笑顔にずっと憧れてきた。

その背を追いかけてこの高校に入って、今ではそんな憧れの人が目の前にいる。


「はい…!」


これ以上の幸せはないはず。


大型アスレチックやスポーツを一通り楽しんだ後、「ちょっと休憩せん?」という照史先輩の提案により、スワンボートに乗ることとなった。

促されたので先に乗り、先輩が後から続く。そうして照史先輩の運転の元、ボートはゆっくりと動き始めた。


「Aちゃん疲れたやろ?ごめんな、振り回して」
「いえ、全然!むちゃくちゃ楽しいです!」
「よかった。俺もむちゃくちゃ楽しい」


思いがけず目が合うと、はにかんだ照史先輩がハンドルを大きく動かした。


「中学の時の生徒会のこと覚えてる?」
「はい、覚えてますよ」
「体育祭とか文化祭とか忙しかったよな」
「はい」
「軽い打ち上げで余ったお菓子食べたよな」
「はい」


照史先輩が隣にいるだけで、そう話を促されるだけで、中学の時の記憶がまるで走馬灯のように、映画のフィルムのように流れていく。


青く輝く日々の中心には、いつも照史先輩がいた。


「Aちゃんが、俺の推薦やなくて立候補で生徒会長になった時、めっっちゃ嬉しかったなぁ」
「先輩が喜んでくださってたの鮮明に覚えてます」
「もう間違いなく学校の誰よりも俺が喜んどったもん」


現生徒会長から新生徒会長への移行期間にもまた、たくさんの時間を照史先輩と過ごした。




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作者名:ぴの山 | 作成日時:2023年5月25日 15時

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