ガラスの靴で息絶えて【夏JW】 (ページ19)

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そんな話題になって流星に視線が集まっても本人が黙っているのは、余計なことをしない方がいいと分かっているから。干渉が生むのは、悪いことの方が多いと知っているから。

「あの、私が…私が、全部悪いから」
「…あ？」
「なので…藤井、くんとか、神山くんのこと、責めないで」
「ウチらは責めてなんか──」

しらばっくれる彼女たちだが、こんな陰湿なことをする人たちだから致し方ないのかもしれない。

「悪く言うなら私だけにしてよ」

そう吐き捨て、保健室へ向かった。

体調が悪いと言えば、すぐにベッドに寝かせてくれた。

事の顛末を最後まで見届けなかったこと、当事者として良くなかったかなと思いつつも、もうあの空間に戻る勇気はなかった。

もしかしたら、あの詩的なメッセージが送られてくるのも、気持ち悪い手紙や写真が届くのも、私のせいなのかもしれない。その結果、勘違いをして周りに迷惑を掛けているのだから、これは当然の報い。

でも、どうしてだろう。私だって、苦しんでるのにまだ我慢しなきゃいけないのかなぁ。

目頭が熱くなってきて、涙が横に流れた。

「失礼しまーす」

しんと静まり返った保健室に響く声。瞼が重くなっていた私を起こすには十分だった。

「A、起きてる？」
「………し、げお、」
「無理せんでな」

心配そうに私を見下ろす重岡くん。HR授業だからってわざわざ見舞いに来た彼が、酷く恨めしかった。

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