ガラスの靴で息絶えて【夏JW】 (ページ18)

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頭からガッツリ水を被った神山くんが、「体操着持ってきてよかったぁ」と笑う。

「か、神山くん、ごめ…」
「ううん、Aが謝ることやないから平気」

それよりも、と女子たちの方を振り返る。

「嫉妬する気持ちも分かるけどさ、流星がみんなのものとか勝手に決めつけんといて。流星のことは流星にしか決められんよ」

神山くんがニコリと笑うと、数人の女子は慄いてどこかに行ってしまった。残りの女子は、依然私を睨んでいる。

「神山くんには関係ないやろ」
「勝手に首突っ込まんといて」
「委員長気取りウザイわ」

女子にどれだけ鬱陶しがられても、神山くんは一切動じない。ただ私を庇うように少し前に立ち、「大丈夫」と言ってくれた。

「流星とAの仲のことやったら、俺も君らも関係ないで。二人の間のことやもん」

神山くんの言葉に何も言い返せない女子たち。ある一人の女の子が、振りかぶって、写真をばら蒔いた。

「おんぶして帰ってもらったん！？」
「流石に子供すぎるんやないの…？」
「え、何コレ…引くわ」

それは、小瀧くんと重岡くんに挟まれた私が流星に駆け寄ってもらったところから、おぶったまま家に入っていくところまで、何枚もの写真が撮られていた。

私にだけ被害が及ぶなら、私だけが嫌がらせを受けるなら、わざわざ別れて登校なんてしてない。

「流星くん趣味悪ない？」

こうなるのが、一番怖かったから。

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